コロナワクチンについて

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2021/06/16

コロナワクチンについて

梅雨の時期が近づくにつれ、夏の暑さを少しずつ感じられるようになりました。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 

本日は、最近で最もタイムリーな話題『コロナワクチン』に関する記事でございます。
医療従事者、高齢者、基礎疾患をお持ちの方、そして一般接種と続いていくわけでございますが、既にワクチンを接種された方やこれから接種を控える方のご不安を少しでも解消できればと思います。

 

◆そもそもコロナのワクチンとはどういうものか◆

コロナのワクチンはどのような種類のワクチンか。

コロナワクチンは生ワクチン(風疹麻しんワクチン、水痘ワクチン等)や不活化ワクチン(インフルエンザワクチン、A型・B型ワクチン等)とは異なり、mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチン(または核酸ワクチン)と呼ばれております。

 

◆現在のワクチン状況◆

海外では、通常よりも早いペースでワクチン開発と研究が進められており、複数のワクチンが承認されて接種が進められている状況でございます。
その流れは世界だけではなく、日本でも見られます。

 

日本では、ファイザー社のワクチンが令和3年2月14日に薬事承認され、同月17日から接種が開始されています。また、武田/モデルナ社ならびにアストラゼネカ社のワクチンが令和3年5月21日に薬事承認され、同月24日から武田/モデルナ社のワクチンの接種が開始されています。

アストラゼネカ社のワクチンについては、接種後、ごくまれに血栓症が発生すると海外で報告されており、予防接種法における接種の進め方等について審議中でございます。

 

◆各社ワクチン◆

モデルナ社では、同社のワクチンについて12~17歳向けの臨床試験でも100%の有効性があると発表しました。現在日本では、モデルナ製ワクチンの対象年齢は18歳以上と設定されており、同社は6月上旬にも各国の規制当局に12~17歳への使用を求める方針であると発表されております。それにより今後は若者の接種も広がっていくことが予測されます。

アストラゼネカ製ワクチンは、ファイザー、モデルナ製とは異なる「ウイルスベクターワクチン」と呼ばれるタイプで製造されております。米国などでの治験の有効率は76%ほどで他の2社(ファイザー社とモデルナ社)よりも低い結果ではあったものの、2社に比べて比較的保管のしやすい温度で管理できることから、「扱いやすい」ワクチンということができます。

ただ、上記でも記載した通り、血栓症がごくまれに発生することから今後も課題は残っていると言われております。

 

◆ワクチン接種に関して◆

コロナワクチン接種を行う期間としては、令和3年2月17日から令和4年2月末までの予定とされております。
現在は、高齢者向けの接種が進められており、当院でも一部の地方自治体と連携し、地域の高齢者向け接種に取り組んでいる次第でございます。

接種回数については、2回の接種が必要でございます。
現状では、1回目の接種から3週間後に2回目を接種することとしておりますが、国やワクチンの種類により多少異なっていたり、間隔の上限が定められているわけではないので、6週間後までに2回目の接種をすることを目安としております。

 

接種方法は、三角筋(上腕の筋肉)に1回0.3mLを筋肉注射という方法で接種します。

接種に関しては、各地方自治体より「接種券(クーポン券)」と「新型コロナワクチン接種のお知らせ」がご自宅に届きます。全額公費で接種を行うため、無料で接種を行うことが可能でございます。
接種会場では、自宅に届いた予診票と接種券をお持ちいただき、接種を行う流れとなります。

 

◆これからに向けて◆

ファイザー社以外にモデルナ社やアストラゼネカ社など、続々とワクチン接種が進んでいくと予想されます。接種が進むにつれ、今後は企業様向けの接種など接種機会が格段に広がっていくと考えられます。

 

当院では、予防医療を根幹に置いて、日々現場で動いております。
特に、インフルエンザなどはマスクやアルコール消毒などによる皆様の日頃の努力により、昨年では例年に比べて、感染者数が激減しております。
ただ、疫学的には一度に複数の感染症が流行するとは考えられないとされております。
逆に言うと、コロナワクチンによりコロナが落ち着いてくると、他の感染症が流行する可能性があるということでございます。

 

コロナも含め、それ以外にも注意すべき感染症や病気はたくさんございますが、私達はできる限り皆様の感染症予防と健康経営のお力添えができればと考えております。

 

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