高尿酸血症とはどんな症状?なりやすい方と予防方法を徹底解説
- クリニックブログ
高尿酸血症とはどんな症状?なりやすい方と予防方法を徹底解説
高尿酸血症という病気は、尿酸の血中濃度が通常よりも高くなる状態を指します。
これはさまざまな健康上の問題を引き起こす可能性があります。
本記事では、高尿酸血症の原因や症状、診断方法などについて解説していきます。
高尿酸血症の症状とは?
高尿酸血症とは、血液中の尿酸濃度が通常よりも高い状態であることを指します。
体内で生成される尿酸は本来、体外に排出されるべき老廃物ですが、高尿酸血症ではその濃度が一定の値を超えています。
尿酸が高いままにしておくと、身体の中に尿酸の塊ができて結晶化し、全身の不調を引き起こすリスクが考えられます。
高尿酸血症の病気の原因とは?
高尿酸血症の原因は、遺伝的要因、生活習慣の乱れ、代謝疾患、腎臓の問題などが考えられます。
尿酸は、毎日の食事からも体内に蓄積されます。
プリン体が含まれる食品は、血液の尿酸値が急激に上がる可能性が高いです。
- <プリン体が含まれる食品や飲料>
- ●ビール(3~7mg/100ml)
- ●レバー類(210~320mg/100g)
- ●白子(300mg/100g)
- ●エビ、イワシ、カツオ(210~270mg/100g)
高尿酸血症のリスクとは?
高尿酸血症は、肥満、糖尿病、高血圧などの代謝疾患とも関わりがあります。
高尿酸血症が悪化することにより、痛風や尿路結石症などの合併症の発症リスクが増加する可能性があります。
腎臓は尿酸を体外に排泄しますが、腎機能が何らかの原因で低下した場合は尿酸が体内に蓄積しやすくなります。
高尿酸血症と痛風、尿路結石との関係とは?
高尿酸血症は、自覚症状が出にくいです。
痛風や尿路結石症が生じたことで、高尿酸血症に気づくということもあります。
痛風は、関節に尿酸の結晶が堆積し、急性な関節炎を引き起こすことです。通常、足の親指の付け根が影響を受けやすいですが、他の関節も影響を受けることがあります。
また尿路結石症は、尿酸が溜まった結果腎臓から尿道までの尿路で結石となり、周囲の炎症を引き起こすことです。これにより、腰や腹部の激しい痛みが生じるほか、血尿が出ることがあります。
高尿酸血症を放置しておくと、腎臓に損傷を与え慢性腎臓病の発症リスクを高めてしまう危険性もあるため、少しでも体に異変を感じたら迅速に医療機関を受診しましょう。
痛風についてはこちら
高尿酸血症の治療方法とは?
高尿酸血症は、排出できなかった尿酸が身体の中で結晶となります。
尿酸がつくられすぎたり、溜まりすぎたりすることで濃度が増えて病状が進行します。
この病気は、日々の生活習慣である程度整えられ、治療をおこなう場合は、症状のレベルに合わせて行います。
高尿酸血症の診断、治療法について説明します。
高尿酸血症の診断方法とは?
高尿酸血症の診断を行うためには、まず医師による問診を受けます。
主な内容は、発症から現在までの症状や、食生活を基本とする生活習慣、運動やストレス、ほかにかかっている病気(腎臓病、高血圧症、糖尿病、脂質異常症など)、家族の病歴などです。
次に血液検査で尿酸値をはかります。
尿酸値とは、血液中にある尿酸の濃度のことで7.0mg/dLを超えた状態であれば高尿酸血症と診断されます。
尿酸値についてはこちら
高尿酸血症の薬物治療とは?
高尿酸血症の治療は尿酸値によって変わります。
尿酸値7.0mg/dL〜8.0mg/dL未満であれば、生活習慣の改善のみで様子をみることが多いです。
痛風や痛風結節といったこぶがあった場合は、痛風の再発を防ぐために飲み薬を用いて尿酸値6.0mg/dL以下にコントロールします。
尿酸値8.0mg/dL〜9.0mg/dL未満でその他に病気がない場合、生活習慣の改善で尿酸値が下がるか様子をみます。
腎障害、尿路結石、高血圧、虚血性心疾患、糖尿病、メタボリックシンドロームなどの合併症がすでに併発している場合は飲み薬をあわせます。
尿酸値9.0mg/dL以上であれば、生活習慣の改善指導を行い飲み薬の処方が行われます。
高尿酸血症の他の疾患の関係とは?
高尿酸血症は、他の病気の併発や既往歴によって、病気の具合が悪化することもあります。
一度、高尿酸血症と診断されたら、日々の食生活や生活習慣などに注意を払ってみましょう。
ここからは食事などの注意点を説明します。
高尿酸血症の食事の注意点とは?
高尿酸血症の場合、食事による生活習慣の改善が大切です。
適正体重を維持できるようにコントロールし、食事は腹八分目を心がけましょう。
食事の内容では、五大栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル)と食物繊維のバランスがよい食事が効果的です。
好物にプリン体を多く含む食品が含まれているときには、まったく食べないようにするとストレスをためてしまうので、1日400mgまでに抑えて食べましょう。
レバーや白子、一部の魚介類などは注意が必要です。
高尿酸血症は一度かかるとその後も注意しなければいけない?
高尿酸血症は、具体的な原因がはっきりとはしていません。
高尿酸血症からの痛風は強いストレスがあるときに起こりやすいといわれています。
どのような場合に尿酸値があがるかはわかっていませんが、一度かかるとその後もなりやすい病気であることがわかっています。
日常生活を整え、ストレスを上手に発散させながら定期受診をすることがおすすめです。
まとめ
この記事では、高尿酸血症について原因、症状、そして放置した場合のリスク、治療方法をわかりやすく解説しました。
高尿酸血症は、遺伝的要因、食事、代謝疾患、腎臓の問題などさまざまな原因によって引き起こされる可能性があります。
治療を行うためには、専門の医師による診療が不可欠です。
高尿酸血症は、痛風や尿路結石症になるリスクもあります。
一度高尿酸血症と診断されると、日々の食生活や生活習慣などに注意を払い続ける必要があります。
毎日を健康に過ごすために、自分の体の具合を意識しておきましょう。
高尿酸血症に関連する記事はこちら
略歴
- 藤田保健衛生大学医学部 卒業
- 公立昭和病院
- 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
- 北部地区医師会病院麻酔科 科長
- 2016年 MYメディカルクリニック 医師