頸動脈プラークとは?原因となる疾患や予防対策を解説

  • クリニックブログ
2024/07/30

頸動脈プラークとは?原因となる疾患や予防対策を解説



 

「頸動脈にプラークがあるとどうなるの?」
「そもそもプラークとは何?」

 
このようなお悩みはありませんか?
 
結論からお伝えすると、頸動脈にプラークがあるまま放置すると病気の進行につながります。最終的な段階に行きつくと命に関わるため、早期に改善策をとることが大切です。
 
本記事では、頸動脈プラークはどのようなものなのか、発生原因や放置するリスク、プラーク・動脈硬化を予防する方法について解説します。

 
 

頸動脈プラークとは?

まずは、頸動脈プラークの概要や発生原因、放置するリスクについて解説します。
 

頸動脈プラークとは?発生原因について

簡単にいうと、プラークは沈着物のことです。具体的には、血管に悪玉コレステロールが蓄積することで作られるコブをいいます。

プラークは動脈硬化の原因となるため、作らないよう予防することが大切です。悪玉コレステロールが蓄積する原因は以下の5つがあります。
 

  • ●善玉コレステロールが減る
  • ●中性脂肪が増える
  • ●喫煙習慣がある
  • ●高血圧になっている
  • ●血糖値が高い

 
では、以降で詳しく解説します。
 

善玉コレステロールが減る

善玉コレステロールが減少すると、悪玉コレステロールが増加します。理由は、善玉コレステロールには余分に血管にくっついている悪玉コレステロールを回収し、再び肝臓に戻す働きがあるためです。
 
善玉が減少する原因は、内蔵型脂肪肥満です。
内臓脂肪が多くなると悪玉コレステロールや中性脂肪が増加するため、おのずと善玉コレステロールが減少します。他にも、運動不足や喫煙も減少する原因の一つです。
 
善玉コレステロールを増やすためには、生活習慣の見直しが最適です。

 

中性脂肪が増える

中性脂肪とは、トリグリセリドと呼ばれる脂肪です。エネルギー源として大切なものですが、体内に蓄積しすぎると肥満になります。
 
中性脂肪が増えることがプラークにつながる理由は、悪玉コレステロールを小さくする作用にあります。小さくなるとより血管の壁に入りやすくなるため、プラーク生成を促すことになるのです。
 
中性脂肪を減らすためには、有酸素運動が効果的です。

 

喫煙習慣がある

喫煙習慣はプラークの形成につながるため、禁煙することをおすすめします。
理由は、喫煙には善玉コレステロールを減少させたり、悪玉コレステロールを血管の壁に入りやすくさせたりする作用があるためです。
加えて、喫煙は血管を収縮させるため、動脈硬化が進行する恐れがあります。
 
少しでもプラークを増やさないようにするために、本数を減らしたり完全に禁煙したりと対策が必要です。

 

高血圧になっている

高血圧になっている方は、プラークが増えやすくなります。
 
理由は血管をもろくするためです。高血圧状態になると血管にダメージを与えます。高血圧が長期的に続くと、血管が持続的にダメージを受け続け徐々に弱り、その結果、悪玉コレステロールの吸収率が高まってしまうのです。
 
高血圧を改善するためには、医療機関に受診し治療を受ける必要があります。

 

血糖値が高い

血糖値が高いと、プラークの増加リスクを高めるため危険です。血糖値が高い状態が慢性化していると血管の壁がダメージを受け、コレステロールが蓄積しやすくなってプラーク形成につながるのです。
 
特に、糖尿病にかかっている方は血管の老化が早いといわれており、動脈硬化を進ませるリスクが高まります。
 
加えて、血糖値が高くインスリンの効果が発揮されない状態になると、脂質代謝異常のリスクを高めたり、悪玉コレステロールを酸化させたりと動脈硬化を進ませる原因になります。
 
血糖値をコントロールし、高血糖を改善する対策を行う必要があります。

 

放置するリスク

頸動脈にプラークが形状されたまま放置すると、命を落とす危険性のある疾患を発症する恐れがあります。
 

  • ●頸動脈狭窄症
  • ●脳梗塞
  • ●心筋梗塞

 
では、一つずつ症状や治療法、早期発見のポイントを解説します。
 

頸動脈狭窄症

狭窄症とは、狭くなることです。
つまり、頸動脈狭窄症は頸動脈が狭くなることであり、主な原因は動脈硬化です。進行すると脳に血液が流れなくなるため、脳梗塞を起こす可能性が高まります。
 
進行させないためにも早期発見が大切です。早い段階で見つける方法は頸動脈エコーを受けることですが、そもそも動脈硬化を起こさないために生活習慣を整えることが重要です。
 
もし、狭窄が見つかった場合の治療法は2つあります。

 

  • ●内科的治療
  • ●外科的治療

 
内科的治療とは、動脈硬化を起こしている原因疾患を治療する方法です。外科的治療は手術による治療で、頸動脈にたまったカスを取り除いたり、狭い部分にカテーテルを入れて拡張させたりします。
 

脳梗塞

脳梗塞とは、何らかの原因で脳に血液が流れなくなり起こる疾患で、一部の細胞が壊死します。
原因は主に2つあり、動脈硬化により血栓が作られたパターンと、心房細動などにより血栓が作られたパターンです。どちらかのメカニズムで作られた血栓が、脳の血管を詰まらせると脳梗塞を起こします。
 
発症すると、半身麻痺や言語障害などの後遺症が残るため、発症させないことが大切です。
 
早期発見のためには、ちょっとした前兆症状に気付くことが重要です。例えば、一時的にろれつが回らなくなったり、手足が一時的に急に動かせなくなったりすると脳梗塞の前兆として見られます。
 
治療は薬物療法です。脳のむくみや腫れを抑制したり、血栓を溶かしたりする薬を服用します。

 
 

プラーク・動脈硬化を予防する方法

プラークや動脈硬化の発生を予防するためには、検査と生活習慣の改善が大切です。
 

頸動脈エコー検査

頸動脈エコー検査を受けることで、血管の内側の状態が分かります。健康な状態なのか、それとも狭まっているのかが一目で分かるため、進行を防ぎ早い段階で改善を目指すのに有効な手段です。
 
 

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生活習慣の改善

生活習慣の改善には、以下の方法があります。
 

  • ●アルコール飲料を適量にする
  • ●適度に運動を取り入れる
  • ●健康的な食事に加えて不飽和脂肪酸・食物繊維を意識してしっかりとる
  • ●禁煙を心掛ける

 
もともと、アルコールには善玉コレステロールを増やす働きがあり、むしろ血栓の予防に良い働きをします。しかし、過度な飲酒は動脈硬化を進めるため、適量を心掛けましょう。
 
運動不足は冠動脈疾患のリスクを高めることが分かっています。運動には、コレステロールを下げたり動脈硬化などのリスクを抑制したりする効果があるため、適度な運動を取り入れましょう。
 

 
不飽和脂肪酸は悪玉コレステロールを増やさない油ですので、同じ油でも摂取するのであれば不飽和脂肪酸が含まれるものを選びましょう。
 
なお、バターなどの動物性の油には、悪玉コレステロールを増やす飽和脂肪酸が含まれています。そして、食物繊維にはコレステロールの吸収を抑制する働きがあるため、悪玉コレステロールを減らすために積極的にとりましょう。

 
 

まとめ

頸動脈プラークは血管を狭めたり詰まらせたりする要因となるため、早めに改善を目指す必要があります。血管は年齢関係なく若返らせることができますので、諦めずに生活習慣を改善したり頸動脈エコー検査で状態を把握したりして、対策していきましょう。

 

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MYメディカルクリニック渋谷 笹倉 渉医師

監修:MYメディカルクリニック渋谷 非常勤医

笹倉 渉 Dr. Sasakura Wataru

資格

略歴

  • 藤田保健衛生大学医学部 卒業
  • 公立昭和病院
  • 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
  • 北部地区医師会病院麻酔科 科長
  • 2016年 MYメディカルクリニック 医師
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