デング熱は蚊から感染する輸入感染症!感染した時の対応について徹底解説
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デング熱は蚊から感染する輸入感染症!感染した時の対応について徹底解説
デング熱は、デングウイルスによる感染症で、年間約1億人の患者が発生しています。
日本でも2013年に60年ぶりとなる国内感染が確認され、同年100名以上の感染者が報告されました。その後、国内の感染流行は確認されていないものの輸入感染が年間100人ほど確認されています。
そこでこの記事では、デング熱とはどのような伝染病なのか、デング熱に感染した場合の潜伏期間・症状について解説していきます。
デング熱とは
デング熱は、蚊を媒介として人に感染する急性熱性感染症です。人から人への感染はないとされています。
デング熱は、アメリカやアフリカ地域に加え東南アジアや西太平洋地域と広範囲に及びます。ここではデング熱がどの分類なのか、デング熱にかかる原因などについて説明します。
デング熱の感染分類
デング熱は、デングウイルスを保有している蚊(ネッタイシマカやヒトスジシマカなど)が人を刺すことにより感染します。
この2種類の蚊のうちのヒトスジシマカは、日本でもお馴染みの「やぶ蚊」といわれる蚊です。
デング熱の流行地域
デング熱が流行している地域は、西太平洋地域の熱帯・亜熱帯地域・アフリカ地域・アメリカ地域・東地中海地域・東南アジア地域・オーストラリアです。
とくに中南米やアジア圏内で感染者が多く報告されています。
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デング熱の潜伏期間と症状、治療法について
2000年代に入り日本でも国内感染の報告があった、デング熱の潜伏期間と症状について解説します。
デング熱の潜伏期間
デング熱は、デングウイルスが体内に感染してから発症まで潜伏期間は2日~15日程となっており、多くは、3日~7日となります。
デング熱の症状/重症化について
デング熱の症状の経過は突然の高熱に始まり筋肉痛や全身倦怠感、熱が下がっても1週間ほど症状が続き全身に発疹が出現するのも特徴的な症状です。
また重症化すると、呼吸器症状や重度の出血など命に関わる状態へ陥ります。
予後は良好とされるデング熱ですが、重症化することがあります。
早期治療で重症化や感染の拡大を抑えるため、速やかに医療機関を受診しましょう。
デング熱の治療方法はない
デング熱へ特化した薬剤はなく、治療法は対症療法になります。
療養時は解熱剤など、内服薬に注意しないといけない種類もあります。
また妊娠中、特に妊娠後期の妊婦は重症化しやすいとされる感染症です。
デング熱の予防法
予防接種や抗ウイルス薬がないため、蚊に刺されない対策が有効とされます。
服装だけでなく虫よけスプレーなどの併用がおすすめです。
デング熱の予防接種や予防する内服薬がない
デング熱に対する予防接種や予防する薬はありません。
また、前述したように、感染した際の治療もないため「とにかく感染しない」ように心掛けましょう。
肌の露出の少ない服装で予防
肌の露出の少ない服装を選びましょう。
長袖・長ズボンに加え帽子やスカーフなどで首や顔などを隠すと良いでしょう。
デング熱にかからないようにするためには、蚊に刺されないことが重要です。
蚊が好むとされる「黒っぽい色」の衣類は、避けることをおすすめします。
デング熱の予防には虫よけスプレーも有効
普段している虫よけスプレーも有効です。肌の露出の少ない服装に加え、虫よけスプレーも活用しましょう。どうしても露出する部分には、虫よけローションなども工夫して使うことも大切です。
まとめ
デング熱は、国内でも年間約100人ほどの感染が報告されています。
国内での感染ではなく、渡航した際に感染する輸入感染症です。
デング熱へ特化した薬がないため、安静にすることや対症療法が主な治療になります。
また、妊娠後期の妊婦は重症化しやすいため要注意です。
デング熱にかかったと疑われる際は、速やかに医療機関への相談および受診をしましょう。
デング熱が流行している地域へ渡航する場合は、感染対策も必要であるが感染した場合の対策も想定しておくと良いでしょう。
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略歴
- 藤田保健衛生大学医学部 卒業
- 公立昭和病院
- 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
- 北部地区医師会病院麻酔科 科長
- 2016年 MYメディカルクリニック 医師