肩が痛いと感じたときに気をつけるべきこと!病気との関連性
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肩が痛いと感じたときに気をつけるべきこと!病気との関連性
「最近、肩が痛いと感じることが増えた」「肩が痛いのは何かの病気?」このような不安や悩みはありませんか?
多くの方が悩まされている肩の痛みも、人により多種多様な原因が考えられます。
中には重大な病気の前兆となっている可能性もありますので注意が必要です。
本記事では、肩の痛みの原因と、関連する病気について解説します。
痛みの原因を知り、早期改善と隠れた病気の早期発見に努めましょう。
肩の痛みの種類
肩の痛みには、筋肉や関節など原因となる部位によりいくつか種類があります。
痛みの種類を知り、適切な対処を行いましょう。
肩こり
肩に長時間負荷がかかり続けると肩の筋肉に疲労物質が溜まり、筋肉のこわばりから血流が悪くなった結果、肩こりの原因となります。
これは、姿勢の悪さやストレス、高さの合わない枕の使用などが影響していることが多々あります。
痛みの原因である疲労物質の滞りを改善するために、毎日のストレッチなどで血行をよくすることが効果的です。
肩関節の炎症
いわゆる「五十肩」で肩が痛むときの原因です。
力こぶの筋肉である上腕二頭筋の腱が炎症を起こし、その腱のある関節の付近に痛みが生じます。
痛みのためあまり腕を動かさずにいると、肩関節が癒着を起こし動かせる範囲が狭まってしまう可能性もあります。
自然に良くなる場合もありますが、あまりに痛いときは鎮痛剤を使用し、可能な範囲で肩や筋肉をほぐしてあげることも大切です。
肩関節の損傷
肩の関節を動かすためには、関節を安定させる「関節唇」と呼ばれる軟骨と、「腱板」(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋および腱の総称のこと)が重要な役割を担っています。
これらはとてもデリケートで、日常生活で酷使して損傷が起きると肩回りの痛みが発生します。
特に、腱が傷ついてすじが切れてしまう「腱板断裂(けんばんだんれつ)」は五十肩と症状がよく似ています。
症状が気になる場合は我慢しすぎず、原因を知るために病院できちんと検査を受けるのがおすすめです。
肩が痛いときの代表的な疾患
以下では、肩の痛みが出る代表的な疾患をご紹介します。
生活習慣を変えることで肩の痛みの予防や改善ができる場合もありますので、食事や運動を再度見直すことも大切です。
肩関節周囲炎(五十肩)
五十肩の原因は、肩関節の周りの関節包や腱板の炎症です。
50〜60歳代の方に多く見られ「凍結肩」や「癒着性関節包炎」と呼ばれることもあります。
前触れなく肩の痛みが出はじめ、肩を動かしたときの痛みや腕が上がらないといった症状が見られるようになります。
最初は軽かった症状も、次第に安静にしていても痛みが出るようになり、肩を動かせる範囲が狭くなってしまいます。
五十肩は片側だけに症状が出やすいのが特徴的です。
また、辛い症状の一つとして、寝ている時に肩が疼くような痛みが出る「夜間痛」があります。
痛みが強い場合は安静にし、可能であれば無理のない範囲で少しずつ動かして筋肉をほぐすことが大切です。
頚肩腕症候群(肩こり)
肩こりは、筋肉の疲労が原因となって起こります。
筋肉の疲労は、筋肉の使い過ぎだけでなく、姿勢の悪さや、運動不足、ストレスなどの生活習慣の影響も大きいです。
適度に肩を動かし、筋肉を鍛えることも大切です。
特に、運動不足は肥満や生活習慣病の原因にもなります。
当院では「生活習慣病外来」で相談を受け付けていますので、気になる方はお気軽にご相談ください。
生活習慣病外来については詳しくはこちら
腱板断裂
腱板断裂は、肩関節を酷使することにより、腱板が傷ついて断裂してしまい、痛みが発生する状態です。
中高年以降に多くみられますが、加齢のほかにも喫煙の習慣やスポーツで肩を酷使した場合などが要因となって発症することもあります。
肩を動かしたとき以外にも、安静時の痛みや夜間の痛みも多く認められます。
さらに、筋肉の働きの低下から、筋力低下にも注意が必要です。
加齢に伴う鍵盤断裂の治療は、薬物療法やストレッチ、筋力の強化などの理学療法がメインで行われます。
肩峰下インピンジメント症候群
肩峰下インピンジメント症候群とは、肩を上げた時に腱板や滑液包(かつえきほう)などが肩関節の骨に衝突して痛みが発生し、肩が上がらなくなる症状のことです。
肩峰とは肩関節の先端部を形成する部分である肩甲骨の突起を意味し、インピンジメントは「衝突」を意味しています。
肩を上げたとき、もしくは上げた位置から下ろすときに特に強い痛みを感じる傾向にあります。
肩のインナーマッスルとアウターマッスルのバランスが悪くなることが原因としてあげられますが、スポーツなどの外傷で起きることもあります。
石灰沈着性腱板炎(石灰性腱炎)
石灰沈着性腱板炎は肩の腱板内に炎症が起きることによって肩の痛みや運動時痛が生じる病気であり、40〜50歳代の女性に多くみられます。
夜間に突然、眠れないほどの激痛が生じ、痛みで関節を動かすことが出来なくなるのが特徴的な症状です。
発症から1〜4週に最も強い症状が出る急性型、中等度の症状となる亜急性型(1〜6か月)、運動時の痛みが6か月以上続く慢性型があります。
診断には、レントゲンで腱板部分の石灰沈着の有無を確認するほか、CT、超音波検査を行い石灰沈着の位置や大きさを調べます。
重大な病気の前兆?緊急性のある肩の痛み
重大な病気の前兆として肩の痛みが現れる場合もあります。
肩の痛みのほかに気になる症状が出始めた際は、先延ばしにせず早めに病院で検査を受けることをおすすめします。
関節リウマチ
多くの場合、関節リウマチでは手足の指のこわばりが見られますが、それだけではなく、肩の痛みや肩が上がりにくいといった五十肩に似た症状もみられます。
病気が進行すると、腕が上がらなくなったり肘が曲がったまま動かなくなったりすることもあります。
関節リウマチは、微熱が続いたり、疲労感を感じたりといった全身にも症状が現れるため、注意が必要です。
また、関節リウマチで血管炎などの関節以外の症状がみられ、難治性もしくは重症な病態を伴う場合は、指定難病の悪性関節リウマチとして定義されます。
もし気になる場合は、当院の血液内科外来での検査をご検討ください。
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胆石症
胆石症は、胆道に結石ができる病気です。
結石ができる場所によって胆嚢結石、胆管結石、肝内結石に分けられますが、胆嚢結石の割合が約8割を占めています。
右の肋骨の下、みぞおち、右の背中、右肩に痛みが発生し、特に食後に症状が現れやすいという特徴がある一方で、ほとんど症状が現れないこともあります。
また、日頃の生活習慣が発症の原因として強く結び付いています。
予防のためにはコレステロールや脂質の過剰摂取に気を付け、バランスのとれた食生活を心がけることが大切です。
生活習慣の改善には、ぜひ当院の保健指導を受けてみることをおすすめします。
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心筋梗塞
心筋梗塞は、冠動脈に血栓が詰まることで血流が途絶え、心臓周囲の筋肉が壊死してしまう病気です。
代表的な症状は強い胸の痛みですが、胸の痛みが起こらず左側の背中や肩に強い痛みを感じる場合も、心筋梗塞の疑いがあります。
心筋梗塞を発症した場合の死亡率は約40%といわれています。
肩の痛みに加え、胸の圧迫感や、胸痛が繰り返し起こるなどの症状がある場合は、速やかに病院を受診しましょう。
肺がん
肺がんの初期の症状としては咳と痰が特徴的ですが、徐々に進行してくると、息苦しさを感じることや動悸がすることもあります。
さらに、がんの転移によって肩や背中の痛みが発生することもあります。
一見、肺とは無関係と思われる症状でも気を付けなければなりません。
肺がんには特徴的な症状がなく、風邪を引いたときなどにみられる呼吸器の症状のみの場合や症状が出ないケースもあります。
急な体調変化が見られた場合などは早めに病院を受診するようにしましょう。
まとめ
今回は、肩が痛いときに考えられる病気と原因について解説しました。
同じ疾患でも、人によって症状の出方や痛みの感じ方は異なります。
「肩が痛いのはいつものことだから」と放置するのは危険な場合もあります。
特に次第に痛みが強くなってきた場合や、ほかにも気になる症状が出てきたときは、決して我慢せず、早めに病院を受診するようにしましょう。
略歴
- 藤田保健衛生大学医学部 卒業
- 公立昭和病院
- 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
- 北部地区医師会病院麻酔科 科長
- 2016年 MYメディカルクリニック 医師