頭の痛み(頭痛)

片頭痛

片頭痛は頭の片側または両側にズキンと重く刺すような痛みがあり、吐き気を伴う場合もあります。光や音、においなどの刺激に敏感になり、体に重みを感じ動くのが辛くなります。数時間から数日間続くなど持続時間はさまざまで、片頭痛の前兆として、ギザギザの光やキラキラした光が見えることがあります（閃輝暗点）。 片頭痛はストレスや睡眠不足などが原因で起こり、軽度であれば十分な睡眠が取れれば改善に向かいます。痛みがひどいようであれば症状の頻度や程度に応じた薬物療法を行います。一度症状が悪くなると治りにくくなるため、早めの診療・治療がおすすめです。

出典・引用元

• 一般社団法人日本神経学会

緊張型頭痛

緊張型頭痛は、後頭部から首あたりにかけて締め付けられるような痛みが持続する症状が特徴的です。ときどき発症する反復性の症状と毎日発症する慢性的な症状がありますが、片頭痛のような強い痛みではありません。首や肩の筋肉の緊張により発症します。同じ姿勢を長時間続ける、精神的な負担が大きくなることで筋肉の血行が悪くなり、痛みとしてあらわれます。マッサージやストレッチをして筋肉をほぐすと症状の多くが改善されますが、痛みが続くようであれば鎮痛薬を内服します。

急性副鼻腔炎

鼻のまわり、頬や目の奥には副鼻腔と呼ばれる空洞があります。この副鼻腔で風邪やむし歯から発生するウイルスに感染し、炎症が起きている状態が急性副鼻腔炎です。蓄膿症とも呼ばれ、鼻詰まりや顔面の痛みなどが主な症状です。 特徴的な症状と、直接診察した結果から急性副鼻腔炎と診断され、鼻の通りを改善させる薬や抗アレルギー薬で治療をおこないます。症状を緩和する薬で改善がみられない場合は、抗生物質を使用します。

急性緑内障

眼圧が急激に高まり、目の周りが痛くなると急性緑内障と診断されます。目の中にある水（房水）が循環して目の圧力を一定に保っているのですが、何らかの原因により房水の循環が滞ると眼圧が高まり眼の痛みや頭痛が発症し、吐き気を伴うケースもあります。 急性緑内障を放置すると短期間で失明する恐れがあるため、症状があらわれたら早急な治療が必要です。即効性のある薬剤や点眼薬などで眼圧を下げる治療がおこなわれ、症状によっては手術を行います。

髄膜炎

髄膜とは頭蓋骨の中で脳を包み込むようにして守る役割のある膜のことです。髄膜炎はこの髄膜に細菌やウイルスが炎症を起こしている状態です。頭痛や発熱、吐き気などが主な症状で、咳などの振動を受けることで痛みが増幅する傾向があり、症状がひどい場合は光過敏や意識障害を引き起こすこともあります。診断は腰から針を刺して脳脊髄液を採取する髄液穿刺（ずいえきせんし）を実施します。細菌感染による細菌性髄膜炎の場合は後遺症が出る恐れもあることから、早急な抗生物質での治療が必要です。

群発頭痛

群発頭痛は片頭痛や緊張型頭痛と並び、三大慢性頭痛の一つとされています。頭痛の中で最も強い痛みが発生する頭痛とされており、片側の目の奥や眼球に突然ズキズキとした痛みが発生します。眼痛と同じ側で眼の充血や流涙、鼻づまりや、顔面紅潮を伴うこともあります。痛みは1-2時間続くことがあり、痛みの強さから横になれず歩き回る傾向があります。治療はフェイスマスクでの酸素吸入や、炎症を抑える点鼻薬がもちいられます。

脳腫瘍

脳腫瘍は、頭蓋内に発生するガンの総称で、脳の細胞やそれを覆う髄膜、脳神経などに発生します。主な症状としては慢性的な頭痛や吐き気、視力低下や手足の痺れ、言語障害など多岐にわたります。初期症状はあまり気にならない程度の違和感から始まるため、初期で発見できる方が稀なケースといえます。脳腫瘍が疑われる場合は、頭部CTやMRIの画像検査がおこなわれます。

出典・引用元

• 国立研究開発法人国立がん研究センター

頭痛薬による頭痛

頭痛の症状をやわらげるために頭痛薬が処方されますが、その頭痛薬が原因で頭痛が引き起こされるケースもあるため注意が必要です。薬物乱用頭痛と呼ばれ、薬剤の使いすぎにより脳が痛みに敏感になり発症します。 頻回に頭痛薬を服用している方、月15日以上頭痛で悩まされている方は薬物乱用頭痛の恐れがあります。痛みを感じたときに鎮痛薬を服用するのが習慣になっている人、外せない予定のために事前に鎮痛薬を飲んでいる人は薬への依存が高くなる傾向があり、症状を引き起こしやすくなります。