師走に入り今年もあと1ヶ月、冬の寒さを感じる今日この頃ですが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか?
この季節になると『インフルエンザ』や『ノロウイルス』と言う言葉を耳にすることが多いのではないでしょうか?
今回は『ノロウイルス』について、お話しますね。
ノロウイルスによる感染性胃腸炎は、一年を通して発生していますが、特に冬季に流行します。その理由は、インフルエンザウイルスと同様に、低温・乾燥を好むウイルスだからです。
出所:東京都福祉保健局
またノロウイルスは乾燥や熱にも強いうえ、感染力が非常に強く、少量のウイルス(10〜100個)でも感染します。
ノロウイルスに感染すると
●吐き気や嘔吐
●下痢
●腹痛
上記の症例が1~2日続きます。しばらくトイレから離れられなかったという経験をした方も多いのではないでしょうか?
治療はワクチンはなく、脱水予防のための点滴などの対症療法に限られます。下痢止めは、体内からノロウイルスを排出しなければいけないので、処方されません。
ノロウイルスの感染経路は、①人からの感染と、②食品からの感染があります。
①人からの感染
ノロウイルスに感染した人の便や嘔吐物に大量のウイルスが存在するため、トイレや汚物の処理時に”手”が汚染され、その手を介して経口摂取された場合。
②食品からの感染
ノロウイルスに感染した人が調理した汚染された食品を食べたり、ノロウイルスが蓄積した加熱不十分な二枚貝を食べた場合。
病院や飲食店、保育園など食物を扱う仕事に従事する人がノロウイルスに感染していると、食中毒の集団発生する恐れがあります。また下痢や嘔吐の症状が消失しても、2~3週間は便にウイルスが含まれているため、油断はできません。
当クリニックでは、ノロウイルスの検査を受けることが可能です。数分で結果がわかります。感染を広げないためにも、疑わしい時は検査を受けることをおすすめします。
感染力の強いノロウイルスにかからないためには、予防対策が大切です!!
★食事の前やトイレの後などには、必ず手を洗う。
★下痢や嘔吐などの症状がある人は、食品を直接取り扱う作業をしない。
★便や嘔吐物を適切に処理し、感染を広げない。
(アルコール消毒より、次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系の漂白剤が効果的)
★十分に加熱調理する
冬は寒くて体調を崩しやすい季節です。しっかり手洗い・うがいをして、ノロウイルスやインフルエンザにかからないようにしましょう!
東京都感染症情報センター
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2019/10/31/24.html