苦しくない!?胃カメラ検査

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2022/04/13

苦しくない!?胃カメラ検査

【苦しくない!?胃カメラ検査】

 

4月に入り新年度・新学期が始まりました。心機一転、仕事や学業にいそしんでいる方も多いかと思います。新しい環境の中で、やはり健康には気をつけていたいものです。
本日は、日々内視鏡検査を実際に行っている大手町勤務消化器内科医より、「苦痛の少ない胃カメラ検査(上部消化管内視鏡検査)について」ご紹介させていただきます。

 

◆胃カメラとは
胃カメラは先端にカメラが付いた管(スコープ)を使用し、食道、胃、十二指腸を直接観察する検査です。胃がんを疑う病変や胃の病気を発見するだけでなく、直接組織をつまみ病理検査を行う事で確実な診断に繋がります。また胃がんの1番の原因となるピロリ菌感染の診断や、除菌治療にも繋がる非常に有用な検査です。
胃がんは大腸がんに次いで日本人が多くかかるがんであり、男性ではおよそ9人に1人、女性ではおよそ19人に1人が、一生のうちに胃がんと診断されています。また早期にピロリ菌除菌を行う事で将来の胃がんを予防することが可能です。

 

しかし、胃カメラは受けてみたいけれど「苦しい」というイメージがあり、受けるのを躊躇してしまう方もいると思います。

 

 

 

 

◆なぜ胃カメラは苦しいのか?
胃カメラで苦しくなってしまうのは、主に舌の根本の咽頭部に内視鏡スコープが接触することで生じる咽頭反射が原因です。喉の奥に物が入ると「オエッ」とえずくのがこの反射です。本来、気管に異物が入らないようにするための反射であり、誤嚥を防ぐための重要な防御反応です。

 

◆経鼻内視鏡検査について
細径スコープを鼻から挿入する方法を経鼻内視鏡検査といいます。経鼻内視鏡は咽頭反射を起こす舌の根本の部分に触れることが少ないため、経口内視鏡よりも楽に検査が受けられます。さらに局所麻酔として、柔らかいスティックに麻酔のゼリーを付けて事前に鼻腔に挿入します。それにより痛みや鼻出血を予防することができます。鼻腔が狭い方は口に切り替えて検査を行っています。
当院の健診では細径スコープを用いて、経鼻または経口での検査を行っています。外来の検査は細径スコープとより画質や操作性の良い通常のスコープを適宜使い分けています。

 

◆麻酔について
内視鏡検査の麻酔には「局所麻酔」と「静脈麻酔」の2つがあります。
局所麻酔は検査を受けていただく方のほぼ全ての方に行う麻酔で、反射の原因となる咽頭部や鼻腔に直接麻酔薬をスプレーやゼリーで塗布することにより痛みや反射が出るのを抑えます。鎮痛が必要な部分のみに効果が現れます。検査後にむせやすくなるため、1時間程度の飲食の制限があります。
一方、静脈麻酔は希望された方に行う麻酔方法です。静脈ルートを確保し、血管内に薬を投与することでウトウトする鎮静効果があります。手術時のように完全に眠っている間に検査が終了するわけではありませんが、ぼんやりした状態で苦痛の少ない中、検査を受けられるようになります。ただし、薬の効果には個人差があり、お酒に強い方や睡眠剤、安定剤を常用している方には効きにくいことがあります。患者様の年齢や体格により適切な量を検査医が判断して使用していきます。また、安全に検査を行うため、検査中は指に酸素のモニターを装着し、検査終了後は眠気覚ましの薬として拮抗薬を投与し、横になって休んでいただきます。検査当日は車、バイク、自転車等の運転はできませんのでご注意ください。

 

 

 

 

◆楽に受けていただくための心得
患者様に気をつけていただくことで、より検査が楽になるコツをご紹介します。

・なるべく肩の力を抜く
・喉はなるべく動かさず、開けておく
・鼻から吸って、口で吐くゆっくりした呼吸を続ける
・唾液を飲まない
※喉の麻酔をしているのでむせやすく、検査中に唾液が流れ込んでくることで検査時間が長くなってしまいます。舌を口の下に付けておくと唾液を飲み込みにくくすることが可能です。

 

検査前や検査中にもスタッフからお声掛けを行っています。

 

当院では丁寧なスコープ操作、経鼻・経口内視鏡の選択、適切な麻酔薬の使用により、可能な限り苦しくない胃カメラを提供しています。
胃痛や胃部不快感、胸焼けといった症状がある方、ピロリ菌検査で陽性の方、バリウム検査で異常を指摘されている方は内視鏡検査を受けた方が良い方に該当します。早期にピロリ菌の除菌治療をすることで、将来の胃がんのリスクを減らし、次世代への感染の予防も可能です
ぜひ、当院での胃カメラをご検討ください。

 

▼胃カメラのご予約はこちら
https://mymc.jp/contact/appointment/

 

◯関連記事
【早期の除菌を】ピロリ菌感染について
https://mymc.jp/news/1307

 

◯参考文献
・国立研究開発法人国立がん研究センターがん統計
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html

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