血管年齢を若くする方法と7大リスクを紹介

  • クリニックブログ
2024/07/23

血管年齢を若くする方法と7大リスクを紹介


 

 

「血管年齢が若いとなぜいいの?」
「そもそも、血管年齢って重要なの?」
「老化する原因は?」

このような疑問はありませんか?
 
血管年齢という言葉を耳にしても、詳しくは知らないという方は多いでしょう。
 
血管年齢は脳年齢と同じように、どのくらい老化が進んでいるかを知るための指標です。
脳の場合は老化が進むと脳疾患にかかりやすくなったり、記憶力や認知力が低下したりします。それと同じように、血管の老化が進むと血管疾患のリスクが高まります。
 
以降で、重要性や老化の原因、対策、老化のリスクについて詳しくお伝えしますので、ぜひご覧ください。

 
 

血管年齢とは?重要性について

血管年齢の概要を詳しく知りたい方に向けて、どのようなものなのかと重要性について詳しくお伝えします。
 

血管年齢とは

実年齢に対し、血管がどのくらい老化が進んでいるかを知るためにあります。血管の老化とは動脈硬化を意味します。
 
動脈硬化とは、血管が弾力性を失い硬くなっている状態です。血液は全身に栄養と酸素を送る大切な運搬係です。そのため、老化が進み血液運搬が円滑にいかなくなると、全身に栄養や酸素が行き渡りません。
 
生きていくために欠かせないものが運ばれないことは、疾患や命の危険性を高めるということなので、血管年齢を若く保つことはとても大切です。
 

血管年齢を測る重要性

「人生100年」といわれていましたが、最近では「人生130年」と、寿命がさらに延びた言葉が現れました。しかし、ただ寿命が延びるだけではいけません。健康な状態で長く生き続けることが大切なのです。
 
健康な状態でいられる寿命を健康寿命といいますが、これを延ばすために血管年齢が非常に重要であるとされています。
 
最近では、若い方の血管の老化が問題視されています。人間の年齢とは異なり、血管は若返らせることができますので、定期的に測定して対策することが大切です。

 
 

 血管年齢の検査についてはこちら

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血管が老化する原因と対策

血管が老化する原因と対策をお伝えします。
老化原因は大きく以下の4つです。

  • ●神経バランスの乱れ
  • ●運動不足
  • ●カロリー・塩分のとりすぎ
  • ●糖尿病・脂質異常症・高血圧になる

 
では、一つずつお伝えします。
 

神経バランスの乱れ

神経と血管にどのような関係性があるのかご存知でしょうか。実は、血管の収縮や拡張は、自律神経によってコントロールされているのです。
 
血管の収縮は交感神経が優位になった場合に起こり、血管の拡張は副交感神経が優位になった場合に起こります。交換神経と副交感神経のバランスが崩れると、常に収縮され続けストレスがかかります。
その結果、血管が疲労状態になり老化が進むのです。
 
以下のチェック項目に3つ以上該当する方は、神経バランスの乱れで老化が進んでいるかもしれません。
 

  • ●普段からストレスを感じる
  • ●タバコを吸う習慣がある
  • ●夜遅くまで起き睡眠時間が短い
  • ●楽しめる趣味がない
  • ●人との会話が苦手
  • ●感動することが最近減ったように思う

 
これからお伝えする方法で、神経バランスを整えましょう。
 

対策方法|自律神経を整える

自律神経のバランスを整えるためには、定期的なストレス発散としっかり寝ることが重要です。ストレスを発散する方法はさまざまありますが、人との会話、散歩、読書、旅行などがあります。
 
また、睡眠はメンタルヘルスに大きく影響するとされています。睡眠不足が続くとストレスへの耐性が低下し、小さなことでもストレスに感じてしまうのです。もし、睡眠時間の確保が難しい場合は、質を高める工夫をしましょう。
 
例えば就寝前のカフェインや飲酒を控える、スマホを見ない、肌触りの良い寝具やパジャマを用意するなどの方法があります。

 

運動不足

運動不足は血圧の上昇を招き、血管の老化を進めてしまいます。日本人は世界的に見ても働きすぎといわれることもあるほど、忙しい方が多いです。
 
そのため、運動習慣がない方も多々見受けられます。しかし、運動は本格的な筋トレやスポーツでなくても問題ないのです。
 
以下のチェック項目に3つ以上該当する方は、運動不足により老化が進んでいるかもしれません。
 

  • ●運動習慣がない
  • ●夕方になるといつも足がむくんでしまう
  • ●デスクワークの仕事をしている
  • ●同じ姿勢が続く仕事をしている
  • ●階段や坂道ですぐバテる

 
合間にできる簡単な若返り方法をお伝えします。
 

対策方法|適度な運動を取り入れる

適度な運動を取り入れるとは、軽い散歩やストレッチ、体を大きく動かして家事をするなども当てはまります。これらの動きは血行をよくし、内皮細胞を活発化させるため、積極的に行いましょう。

 

カロリー・塩分のとりすぎ

 

 
カロリーや塩分のとりすぎは、中性脂肪やコレステロールを増やし血管の老化を進めます。理由は、脂肪が血管の内側にくっつき、血管を狭めたり血液をドロドロにしたりするためです。
 
以下のチェック項目に3つ以上該当する場合は、食生活によって血管が老化しているかもしれません。
 

  • ●水分をあまりとらない
  • ●塩辛いものや濃い味が好き
  • ●豆類・野菜・魚をあまり食べない
  • ●インスタント食品やファストフードを食べる習慣がある
  • ●間食する習慣がある
  • ●麺類や丼物が好き

 
食事の仕方を意識して、血管年齢を若返らせましょう。
 

対策方法|食事の栄養バランスを見直す

おすすめの食材をお伝えするので、メニューに入れるように心掛けましょう。

 

  • <タンパク質>
  • ●鶏のささみ
  • ●鶏の胸肉
  • ●大豆
  • ●青魚

 
上記の食材は、低カロリーで良質なタンパク質がたっぷり入っています。
 

  • <ミネラル&食物繊維>
  • ●緑黄色野菜(人参、かぼちゃ、トマトなど)
  • ●淡色野菜(大根、ごぼう、なすなど)
  • ●海藻類
  • ●きのこ類

 
食物繊維やミネラルは、塩分とエネルギーの吸収を抑えます。
 

  • <ビタミンC>
  •  芋類

 
芋類のビタミンCは加熱しても破壊されにくいため、しっかり摂取できます。
 

糖尿病・脂質異常症・高血圧になる

血管の老化は生活習慣病である糖尿病・脂質異常症・高血圧も要因の一つです。重なるほど血管の老化が進むため、食生活や運動習慣を見直し、予防することが重要です。
 

対策法|年齢・健康状態に合わせて生活習慣を見直す

生活習慣病の予防や改善は、年齢・健康状態に合わせて生活習慣を見直すことがキーポイントとなります。
 
生活習慣病の多くは肥満を原因とするため、一番効果的なのが減量することですが、高齢になるにつれて体重を落とさないように適切にシフトチェンジしなければなりません。
 
また、栄養バランスの偏りによる栄養不足などが原因でサルコペニアが起こっている場合は、むしろ体重が増えるように対策します。一度診察をし、医師の指導のもとで対策をすると安全です。

 
 

血管年齢の老化による7大リスク

 

 

血管年齢の老化は、以下のリスクを引き起こします。

  • ●脳出血
  • ●脳動脈瘤・くも膜下出血
  • ●胸部・腹部大動脈瘤
  • ●大動脈解離
  • ●脳梗塞
  • ●心筋梗塞・狭心症
  • ●エコノミークラス症候群

 
どのように危険なのか解説します。
 

リスク①脳出血

脳出血は、血管が破れて脳内で出血する病気です。麻痺が起きたり、激しい頭痛が起きたり、命を落としたりする危険性があります。
 

リスク②脳動脈瘤・くも膜下出血

脳動脈瘤は、脳の血管にこぶができる病気です。
破裂するとくも膜下出血を起こし、3割が亡くなるといわれています。
 

リスク③胸部・腹部大動脈瘤

胸部・腹部の大動脈にこぶができる病気です。破裂すると突然死する危険性があります。
 

リスク④大動脈解離

大動脈の壁が裂ける病気です。激痛を伴い、突然死の危険性があります。
 

リスク⑤脳梗塞

血管内にできた血栓がふとしたときに脳の動脈に入って詰まり、脳細胞が壊死する病気です。命を落とす危険性や、後遺症として麻痺や言語障害が残る危険性があります。
 

リスク⑥狭心症・心筋梗塞

狭心症は、冠動脈の血流が悪くなることで心臓の筋肉が酸素・栄養不足になり、痛みを感じる病気です。
 
血流が完全に止まると筋肉が壊死し、心筋梗塞となります。
 

リスク⑦エコノミークラス症候群

静脈にできた血栓が肺に詰まることで起こる病気です。命を落とす危険性があります。

 
 

まとめ

血液は健やかな体を保つために重要な役割を果たしています。年齢に関係なく、生活習慣によって血管は老化し、恐ろしい病気を引き起こすトリガーとなります。
 
若々しさを保つために、軽い運動やバランスの良い食事、自律神経を整えることを心掛けましょう。

 
 
 

MYメディカルクリニック渋谷 笹倉 渉医師

監修:MYメディカルクリニック渋谷 非常勤医

笹倉 渉 Dr. Sasakura Wataru

資格

略歴

  • 藤田保健衛生大学医学部 卒業
  • 公立昭和病院
  • 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
  • 北部地区医師会病院麻酔科 科長
  • 2016年 MYメディカルクリニック 医師
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