血糖値が高い・低いとどうなる?原因やリスク、対策を詳しく解説

  • クリニックブログ
2024/07/16

血糖値が高い・低いとどうなる?原因やリスク、対策を詳しく解説


 

 

「血糖値が高いとどうなる? 怖い病気になる?」
「血糖値を基準値にする方法を知りたい」

 
検査で血糖値が高いと言われ、今後のことが気になってしまうのは仕方ありません。血糖値が高いことが原因で「糖尿病」を発症することが知られているためです。
 
しかし、血糖値に関するリスクは糖尿病だけではありません。血糖値が高いことが危険であることは知られていますが、実は低すぎるのも生命を脅かす危険な状態なのです。
 
以降では、血糖値が高すぎたり低すぎたりするとどうなるのか、原因やリスクなどを解説します。

 
 

血糖値とは

血糖値とはどのようなものなのか、また数値が高い高血糖と数値が低い低血糖について解説します。
 

血糖値とは?

 

 
血糖値とは、血中のブドウ糖の濃度を表した数値です。食前と食後、激しい運動後などさまざまな要因で変動します。
 
一般的な変動のメカニズムを解説しましょう。
 
炭水化物など糖質が含まれるものを食べると血糖値が上昇しますが、インスリンによって下降し、正常値に戻ります。
 
反対に空腹時は血糖値が低下するため、膵臓から分泌されるグルカゴンなどが働きかけ、正常値に戻します。
 

高血糖について

高血糖とは、血糖値が高い状態のまま戻らないことをいいます。長時間続くと血管にダメージを与え、動脈硬化や糖尿病を引き起こすリスクが上昇します。
 
高血糖と診断されるのは、空腹時血糖が110mg/dl以上である場合です。食後高血糖と呼ばれるものもあり、食事から2時間後の測定値が140mg/dl以上だった場合に診断されます。
 
 

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低血糖について

低血糖とは、血糖値が低すぎる状態です。血糖値が70mg/dL以下、もしくは70mg/dL以上にもかかわらず低血糖症状があると診断されます。
 
高血糖と違って分かりやすい症状が現れます。
 
例えば動悸がしたり、手足が震えたり、異常なまでの空腹感を感じたりといった症状です。
 
低血糖症状が現れている場合、適切に対処しなければ命を落とすことがあります。

 
 

血糖値が高い原因とリスク

血糖値が高い原因とリスクについて解説します。血糖値が高いと診断された方、高くならないように予防したい方はぜひご覧ください。
 

血糖値が高い原因

 

 
血糖値が高くなる原因は、食べ物や飲み物に含まれる糖質、肥満、ストレス、運動不足などが挙げられます。糖質が血糖値の上昇に直結することはイメージがつきやすいかもしれません。
 
しかし、ストレスや運動不足、肥満が関連するイメージがつかない方は多いのではないでしょうか。
 
肥満が血糖値を上げる理由は、インスリンの必要量の増加です。インスリンの必要量が増加した状態が続くと糖代謝に狂いが生じ、血糖の利用効率が落ちて高血糖を起こします。
 
過度なストレスが血糖値を上げる理由は、交感神経の活発化によるグルカゴン、甲状腺ホルモン、アドレナリンの分泌促進です。これらのホルモンは血糖値を高める作用があります。
 
慢性的な運動不足が血糖値を上げる理由は、インスリンの効果ダウンです。筋トレで筋肉量を増やすとインスリンの効果が高まり、血糖値を下げる機能が向上します。
 
 

高血糖が引き起こすリスク

高血糖や食後高血糖が続くと、糖尿病やがんの発症リスクを高めたり、動脈硬化に進展させたりといったリスクがあります。どの症状も悪化すると命に関わるものであるため、高血糖の軽視は危険といえます。
 
加えて、空腹時高血糖と比べて食後高血糖のほうが死亡リスクをより高めることが、日本糖尿病協会が実施した検証によって分かりました。
 
 

糖尿病になる

糖尿病は、インスリンがうまく機能せず、血糖値を低下させられない病気です。生活習慣病といわれていますが、1型と2型によって原因は異なります。
 
1型は自己免疫疾患によりインスリンの分泌細胞が破壊され、引き起こされるタイプです。
生活習慣病と呼ばれているのは2型であり、運動不足や食べ過ぎといった生活習慣と遺伝的要因が重なることで発症するタイプです。

 
 

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動脈硬化になる

動脈硬化とは、血管が硬くなって弾力がなくなることに加えて狭くなる状態のことです。
スムーズに血液を送れなくなるため、血栓ができたり血管が詰まったりしやすく、危険な状態といえます。
 
脳梗塞や心筋梗塞を起こしたり、高血圧が加わると脳出血を起こしたりしやすくなります。

 
 

高血糖にならないための対策

高血糖にならないためには、運動習慣と食生活がポイントとなります。以降では、具体的な実践方法をお伝えします。
 

食後1〜2時間後に運動をする

個人差はありますが、食後1〜2時間後に運動すると、食後の血糖値上昇が緩やかになります。激しい運動をする必要はなく、ウォーキングやステッパー、階段の昇降運動といった軽いもので構いません。
 
効果を高めたい方は、有酸素運動の前に軽く筋トレをするのがおすすめです。筋トレは、体に大きな負荷がかからず取り入れやすい筋トレを1分程度するだけで構いません。

 

食べ方を工夫する

食後高血糖を予防する方法には、食べ方を工夫する方法もあります。運動がどうしても苦手という方にも取り入れやすくおすすめです。
 
具体的な方法は以下の通りです。

 

  • ●咀嚼回数を多めにしてゆっくり食べる
  • ●GI値が低いものから食べる
  • ●炭水化物だけの食事を避ける

 
咀嚼回数を多くしてゆっくり食べると、小腸の炭水化物の吸収スピードを緩やかにさせられます。
 
GI値とは血糖値の上がりやすさを表す数値であり、数値が低い順番に食べることで血糖値の急上昇を抑えられます。具体的には、野菜→タンパク質→炭水化物または脂質の順番です。
 
炭水化物だけの食事内容も危険です。炭水化物は糖質として吸収されるため、ラーメンだけ、うどんだけといった食べ方は血糖値の急上昇を招きます。
 
糖質の吸収を抑制する食物繊維も一緒にとるようにしましょう。最も良いのは、タンパク質と脂質もバランスよく摂取できる食事内容です。難しい場合は最低限食物繊維だけでもとるようにし、可能な限り栄養バランスの偏りがないようにしましょう。
 

GI値を意識して食事を選ぶ

GI値が高いほど食後血糖値が上がるため、低GI値のものを積極的に選ぶこともおすすめです。
 
例えば、白ごはんよりも玄米にする、通常の食パンではなく全粒粉のパンにする、うどんやラーメンではなく蕎麦や春雨にするといったように置き換えるとよいでしょう。

 
 

血糖値が低い原因とリスク

血糖値が必要以上に低くなる原因とそのリスクについて解説します。
 

血糖値が低い原因

低血糖状態になる原因は以下のようなものがあります。
 

  • ●食事量が少ない
  • ●炭水化物が足りていない
  • ●激しい運動のしすぎ
  • ●空腹中の運動
  • ●血糖値を下げる薬の量が多い
  • ●飲酒
  • ●入浴 など

 
上記の通り、低血糖を予防することは十分可能です。
次に紹介するリスクは命に関わるものなので、上記の原因を念頭に置いて過ごしましょう。
 
 

低血糖が引き起こすリスク

低血糖状態は、手足の震えや動悸がするなどの症状が現れるだけではありません。
 
ひどい場合、そのまま意識を失って昏睡状態になることもあるのです。もし、運転中に重度の低血糖を引き起こすと事故につながりかねません。
 
 

低血糖の対処法

低血糖症状が現れた際の対処法は、ブドウ糖の補給です。近年では、ブドウ糖補給が効率的にできるラムネ菓子も売られていますので、カバンに常に入れておくとよいでしょう。
 
ブドウ糖補給ができる飲み物もあるため、外出する際は水分補給ドリンクとして購入しておくのもおすすめです。
 
 

低血糖にならないための対策

低血糖を予防するためには、ご自身が低血糖になりやすい状態を知って対策することが大切です。例えば、空腹時に運動するとフラフラするなどの不調を覚えるのであれば、バナナなどの軽食をとってから行うようにしましょう。
 
命を守るためにも、低血糖対策は重要です。

 
 

まとめ

血糖値は、高いだけでなく低いことも問題です。極端にどちらに転んでも疾患のリスクや命を落とすリスクを高めるため、食生活と運動習慣を意識して対策することが大切です。

 

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MYメディカルクリニック渋谷 笹倉 渉医師

監修:MYメディカルクリニック渋谷 非常勤医

笹倉 渉 Dr. Sasakura Wataru

資格

略歴

  • 藤田保健衛生大学医学部 卒業
  • 公立昭和病院
  • 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
  • 北部地区医師会病院麻酔科 科長
  • 2016年 MYメディカルクリニック 医師
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