骨密度を上げる方法と骨粗鬆症の予防・治療法を解説

  • クリニックブログ
2024/07/16

骨密度を上げる方法と骨粗鬆症の予防・治療法を解説


 

 

「骨密度が低いと言われて対策したい」
「骨粗鬆症にはなりたくない!予防できる方法はある?」

 
本記事では、このようなお悩みを解決します。
 
骨密度は年齢を重ねると下がっていくため、検査を受けて減少しているといわれるとショックを受けてしまう方も多いのではないでしょうか。特に、女性は閉経すると骨密度が減少しやすいため骨粗鬆症になりやすく、対策をする必要があります。
 
以降では、骨密度の概要や下がる原因、骨粗鬆症について解説します。

 
 

骨密度とは?検査方法や減少するリスク

骨密度とはどのようなものなのか、検査方法や減少することによるリスクについて解説します。
 

骨密度とは

骨密度とは、ミネラルやカルシウムなどの骨を作る成分がどれだけ詰まっているかを表すものです。
 
骨密度が高いほど骨が丈夫で健康的であることを表します。反対に低い場合は骨の内部に空洞ができていることを表しており、空洞が増えたり範囲が広がったりしていると骨が脆い状態です。
 
骨密度は、性別関係なく年齢を重ねるごとに下がっていきます。特に減少しやすいのは女性とされており、20歳をピークに徐々に減少して50歳くらいからさらに減少します。
 

骨密度が下がる原因

骨密度が下がる原因は、主に以下の3つです。
 

  • ●女性ホルモンの減少
  • ●カルシウム不足
  • ●加齢

 
骨は、破壊と形成のループを繰り返しています。しかし、上記の原因によって骨の破壊と形成のバランスが悪くなり、密度が減少して薄い状態になるのです。
 
イメージとしては、髪の毛のサイクルと同じです。髪の毛は、髪が生える時期と抜ける時期、成長が止まる時期といったサイクルを繰り返しています。しかし、何らかの原因でサイクルが乱れると、抜け毛の増加に発毛が間に合わなくなって髪が薄くなります。
 
骨も同じようにサイクルを繰り返すことで、密度の高い丈夫な骨を保っているのです。
 
 

 骨密度についてはこちら

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骨密度の減少は骨粗鬆症を招く

骨密度の減少は「骨粗鬆症」と呼ばれる疾患の原因です。日本国内の発症数は推計1280万人を超えているといわれています。
 
骨粗鬆症とは、骨の内部の空洞化が著しい状態となり、骨折しやすくなる病気です。骨折は転倒によって起こるものとイメージされますが、実際はそれだけではありません。
 
骨粗鬆症を発症し進行すると、自分の体の重みやちょっとした骨の圧迫でも骨折します。
ひどいケースでは、骨折が完治しないため寝たきりになる方もいるのです。
 
「ちょっとタンスの角に足をぶつけただけなのに骨折した」「身長が縮んできた」などの症状がある方は、要注意です。
 
 

一般的な骨密度の検査

 

 
一般的に行われる骨密度を測定する検査では、X線を用います。診断は若い年齢層の平均骨密度を基準にして行われ、以下のように診断と指導を受けます。
 

診断された骨密度 程度 指導内容
平均値の80〜90%に該当
要指導 ・食生活の改善
・運動量の改善 など
平均値の80%以下に該当
要検査 精密検査の実施

 

精密検査による骨密度検査

精密検査が必要と診断された場合、以下の検査を行っていきます。
 

  • ●血液検査
  • ●尿検査
  • ●DXA法による腰椎の骨密度測定
  • ●背骨のエックス線撮影

 
 
上記の検査によりその他の疾患が見つからなければ骨粗鬆症と診断されます。
 
 

 骨粗しょう症についてはこちら

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骨粗鬆症には種類がある

骨粗鬆症には種類があることをご存知でしょうか。
以降では、骨粗鬆症の種類と各特徴をお伝えします。
 

原発性(一次性)骨粗鬆症

原発性とは、年齢やホルモンなど加齢による骨量の減少で起こるタイプです。骨粗鬆症の女性の95%以上と、男性の80%程度がこのタイプとされています。
 
生活習慣や家族の発症者の有無、アルコールやタバコの摂取などさまざまな要因がリスク因子です。
 

続発性(二次性)骨粗鬆症

続発性とは、疾患や薬の影響による骨量の減少で起こるタイプです。
骨粗鬆症の女性の5%未満、男性の約20%が続発性とされています。
要因となる疾患には以下があります。
 

  • ●クッシング病
  • ●慢性腎臓病
  • ●甲状腺機能亢進症
  • ●副甲状腺機能亢進症
  • ●糖尿病
  • ●多発性骨髄腫 など

 

上記のように、骨粗鬆症を誘発する疾患は数多くあります。
骨密度の減少の他に、倦怠感や喉が乾きやすいなど他の疾患を疑うような症状があれば、さらに精密検査を必要とします。
 

特発性骨粗鬆症

特発性とは、原因が不明なタイプです。発症するのは非常にまれであり、数値が正常な場合や若年層での発症で疑われます。

 
 

骨粗鬆症を予防する方法と治療法

骨粗鬆症を予防する方法と治療法をご紹介します。
 

喫煙・過度な量の飲酒をやめる

喫煙は骨密度を下げることが分かっています。特に喫煙による骨密度の低下が顕著に現れているのは閉経後の女性であるため、50歳以降の方は禁煙を心掛けましょう。
 
過度な量の飲酒も発症リスクを高めるため、お酒を飲む習慣がある方は飲む量を見直してみてください。
 

食生活を見直す

欠食することが多い方、栄養バランスが偏る傾向がある方は、食生活を見直しましょう。
具体的には、以下のことを意識してみてください。
 

1日3回バランスが整った食事を規則正しくする

カルシウムの摂取はもちろんのこと、骨を作るためにはビタミンDやビタミンKも重要です。もちろん、これらの栄養素だけを摂取するのではなく、
カルシウム・ビタミンD・Kをしっかりとりつつ、炭水化物やタンパク質など体を作るために必要な栄養素もバランスよくとりましょう。

 

乳製品を適度に摂取する


 

 

チーズやヨーグルト、牛乳といった乳製品は、カルシウムが入っていることに加えて吸収率が良いためおすすめの食品です。「毎日コップ1杯は牛乳を飲む」といった実行しやすい目標を取り入れて、確実かつ効率よく摂取しましょう。

 

カフェインやアルコールは控える

カフェインやアルコールの過度な摂取は、骨密度を下げる要因の一つです。カフェインはカルシウムの排出を促し、アルコールはカルシウムの吸収を妨げるためです。

 

積極的にとりたい必要な栄養素が含まれている食品

積極的にとりたい必要な栄養素が含まれている食品をご紹介します。ぜひ、今後の食事の参考にしてください。

 

栄養素 食品
カルシウム
牛乳、チーズ、いわしの丸干し、わかさぎ、しらす など
ビタミンD
鮭、うなぎ、干し椎茸、キクラゲ、しらす干し など
ビタミンK
納豆、しそ、モロヘイヤ、ほうれん草、かいわれ大根、春菊、にら、菜の花 など
たんぱく質
卵、肉類、魚類、大豆製品、乳製品 など

骨を刺激する運動を行う

骨を刺激する運動は、骨密度を増加させる方法として効果的です。
 
例えば、ウォーキングや水泳、筋トレなどです。
運動は、毎日30分程度行うことが推奨されています。
 

日光浴をする

日光浴は、カルシウムの吸収率を高める方法として有効です。
 
日光を浴びることでビタミンDが体内で生成され、カルシウムの吸収を高めるためです。強い直射日光を浴びるのではなく、朝散歩して、軽く日光に当たる程度がちょうどよいとされています。
 

治療法は予防法+薬物療法

治療は、予防法と同じ方法を取り入れるとともに、薬物療法を行います。
 
薬には「ビスホスホネート」が使用されます。骨の代謝回転を抑制する効果があり、骨量の減少を緩和させる作用があります。

 
 

まとめ

骨密度が高いほど骨折しにくい丈夫な骨を保つことができるでしょう。
 
しかし、加齢や疾患によって骨密度が下がると、骨が脆くなってしまいます。骨密度を下げるリスクのある喫煙や過度な飲酒、カフェインの過度な摂取を控えるなど、生活を見直すことが大切です。

 

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MYメディカルクリニック渋谷 笹倉 渉医師

監修:MYメディカルクリニック渋谷 非常勤医

笹倉 渉 Dr. Sasakura Wataru

資格

略歴

  • 藤田保健衛生大学医学部 卒業
  • 公立昭和病院
  • 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
  • 北部地区医師会病院麻酔科 科長
  • 2016年 MYメディカルクリニック 医師
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