溶連菌感染症は合併症に注意!出勤停止期間やヘルパンギーナとの違いも

  • クリニックブログ
2023/12/11

溶連菌感染症は合併症に注意!出勤停止期間やヘルパンギーナとの違いも

「溶連菌感染症になったらどう対処したらいい?」
「かかっても出勤してもいい?」
「溶連菌感染症とヘルパンギーナの違いは?見分け方はあるの?」
このような、悩みや疑問はありませんか?
 
本記事では、溶連菌感染症の特徴や、混同しやすいヘルパンギーナとの違いについて解説します。
感染後の心構えや対処方法がわかるようになりますので、ぜひ参考にしてください。

 
 

溶連菌感染症とは

溶連菌感染症とはどのような疾患なのか、症状や流行時期、感染しやすい方、気を付けるべき合併症について解説します。

症状

主な症状は、下記のとおりです。
 

  • ● 喉の痛み
  • ● 発熱
  • ● 倦怠感
  • ● 手足の発疹
  • ● いちご舌
  • ● 舌が白くなる
  • ● 扁桃炎・首のリンパ節の腫れ

 

潜伏期間は2日〜5日で、急激な発熱と倦怠感、喉の痛みがあらわれ、人によっては吐き気を伴うこともあります。
イチゴ舌と扁桃腺の白苔、喉の点状の出血は、溶連菌感染症特有の症状です。
通常の風邪のように、鼻水や咳といった症状はみられません。症状が重くなると、つばや食べ物などを飲み込むこともつらくなります。
 

流行時期

流行時期は主に2つあり、春から初夏にかけて冬季が該当します。
具体的には、11月〜4月、6月〜8月です。
 
ただし、コロナウイルスが流行した関係で自粛が進んだため、2020年の夏から発生例が激減しました。よって、今後の流行時期の動向は不明です。

 

感染しやすい方

溶連菌感染症は合併症を起こすリスクがあるため、注意が必要です。溶連菌関連の合併症は、下記のとおりです。
 

気をつけるべき合併症

主な症状は、下記のとおりです。
 

  • ● 肺炎・髄膜炎・敗血症などの重症化
  • ● リウマチ熱
  • ● 急性糸球体腎炎
  • ● 結節性紅斑
  • ● 中耳炎
  • ● 血管性紫斑病など

 
特に気をつけたのが「リウマチ熱」「糸球体腎炎」「結節性紅斑」です。
 

リウマチ熱

リウマチ熱は、溶連菌感染症の治療を受けなかった場合に発症することがある合併症です。症状は複雑で、関節痛や胸痛、動悸、発疹などが組み合わさります。
また、心臓に炎症がある方は後遺症が残るリスクがあります。

 

糸球体腎炎

糸球体腎炎は、溶連菌感染症が治癒してから発症する腎炎で、顔面やまぶた、足のむくみ 血尿、高血圧が主な症状としてあらわれます。
治療してから、10日〜14日程度経過後に発症するのが特徴です。自然治癒していきますが、尿所見異常が続くと腎機能障害が残ることがあるため要注意です。

 

結節性紅斑

結節性紅斑は、主に脛に現れる赤色の皮疹で痛みを伴います。
色素沈着としこりは残りますが、次第にそのまま治っていきます。治るまでに期間がかかると慢性型に変わってしまうことがあるため、早期治療をしましょう。

 

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溶連菌感染症はうつる!出勤停止期間について

溶連菌は非常に感染力が強いため、大人、子供関係なく誰でも感染リスクがあります。
もし、感染してしまった場合に備えて、出勤停止期間、家庭内での注意や過ごし方について紹介します。

 

出勤停止期間

職場によって出勤停止期間が異なるため、規定に則って行動しましょう。
基本的には、抗生物質を飲み始めてから24時間経過すれば感染力はなくなります。そのため、出勤停止日数などは特に定められていない会社が多いです。
しかし、溶連菌感染症は治ったあとの合併症リスクもあるため、症状がおさまったからといって無理は禁物です。

 

家庭内での注意や過ごし方

家庭内での過ごし方で、いくつか注意点があります。
 

  • ● 喉に痛みがある場合は、辛味・酸味といった刺激となる食べ物は避けましょう
  • ● 体の抵抗力が下がっているため、安静に過ごしましょう
  • ● 秋冬は20℃前後、夏は26℃〜28℃を保ちましょう
  • ● 高熱がある場合は脱水症状予防のためこまめに水分を補給しましょう

 
体を十分にいたわる、湿度が低くなりすぎないよう空調を調節することを意識しましょう。とくに、湿度が低すぎると喉が乾燥して、痛みをさらに強くする可能性があります。

 
 

溶連菌感染症の検査・治療法

溶連菌感染症の検査方法や治療法を解説します。受診したときの治療の流れを事前に知りたい方は、参考にしてください。

検査方法

検査方法は、以下のとおりです。
 

  • ● 咽頭培養
  • ● A群多糖体抗原を検出する迅速診断キット
  • ● 抗体検査

 
迅速診断キットは感度が80%と高いですが、 菌の量で反応を見るため菌の採取方法に左右される面もあります。ASO法またはASK法による抗体検査では、抗体上昇をみることで溶連菌に感染しているかを確認することが可能です。
 

治療方法

基本的にはペニシリンで治療を行いますが、アレルギーがある場合はエリスロマイシンで対応します。
治療期間は7日~10日ほどです。症状がおさまってもまだ菌が残っている可能性があるため、処方された薬はすべて飲みきりましょう。

 

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溶連菌感染症とヘルパンギーナの違いとは

子供がかかりやすい感染症であるため混同しやすいですが、実は大きな違いがあります。
 

【違い1】原因菌

一つ目の違いは「原因菌」にあります。
溶連菌感染症はA群溶血性レンサ球菌が原因菌ですが、ヘルパンギーナはエンテロウイルスが原因です。
ただし、感染経路はどちらも飛沫感染で違いはありません。

 

【違い2】症状

二つ目の違いは「症状」にあります。
溶連菌感染症は、風邪のような発熱や喉の痛みに加え、いちご舌などがみられます。
対し、ヘルパンギーナは、口腔内や口周りに水疱ができるのが特徴です。
最初はどちらも風邪のような症状ですが、のちにあらわれる症状は異なります。
 

【違い3】流行時期

三つ目の違いは「流行時期」です。
溶連菌感染症は11月から4月、6月から8月がピークですが、ヘルパンギーナは5月頃から7月にピークがきます。
6月と7月は流行時期がかぶっているため、対策を十分にしましょう。
 

【違い4】治療方法

四つ目の違いは「治療方法」です。
溶連菌感染症はペニシリンの使用が主ですが、ヘルパンギーナはこれといった治療法はなく、症状への対処療法のみです。

 
 

まとめ

溶連菌感染症は、急激な発熱と倦怠感といった症状に加え、いちご舌などの特有の症状が特徴的です。
また、治療の遅れや治癒されたあとに合併症を起こすリスクがあるため、早めの受診と治療を受けましょう。


 

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MYメディカルクリニック渋谷 笹倉 渉医師

監修:MYメディカルクリニック渋谷 非常勤医

笹倉 渉 Dr. Sasakura Wataru

資格

略歴

  • 藤田保健衛生大学医学部 卒業
  • 公立昭和病院
  • 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
  • 北部地区医師会病院麻酔科 科長
  • 2016年 MYメディカルクリニック 医師
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