虚血性腸炎の症状や治療は?繰り返さないための予防策も解説

  • クリニックブログ
2023/12/08

虚血性腸炎の症状や治療は?繰り返さないための予防策も解説

「虚血性腸炎」とは、大腸への血液の流れが一時的に悪くなり、循環障害によって起こる大腸炎のことです。突然の腹痛や下痢などのよく見られる症状があるほかに血便といった馴染みのない症状が現れる疾患です。
今回の記事では、虚血性腸炎の症状や原因、検査、治療、経過、予防方法について解説します。

腹痛に苦しむ男性
 
 

虚血性腸炎とは

虚血性腸炎とは、腸に血液を届けている動脈の流れが悪くなることで、腸の壁や粘膜に血液が足りなくなり炎症が起こる病気です。
近年は若い世代でも患者数が増えているとされますが、どのような症状や原因があるのでしょうか?

虚血性腸炎で現れる3つの典型的な症状

最初に感じる症状は腹部の左から下腹部を中心とした強い痛みです。
続いて下痢も見られることが多いです。
ここまでは一般的な腸炎ととくに違いはありませんが、これに加えて血便が見られるため患者さん自身も驚くことがあるようです。
 
この血便は、組織に血液が行き届かず粘膜に炎症や潰瘍ができたためと考えられます。
合併症は少ないですが、お腹の張りや嘔吐などが見られた場合は、腸閉塞を併発している可能性があるため早めの受診をおすすめします。

 

虚血性腸炎の原因はストレスや便秘だけではない!4つの主な原因

虚血性腸炎の引き金となる生活上の原因にはどのようなものがあるのでしょうか?
若い世代にも多い原因として、便秘が挙げられます。
便が腸内で停滞することで腸の血流が悪くなり、さらに排便の際につよくいきむことでも腸の血流は低下します。
 
また、糖尿病や高血圧症といった生活習慣病も、動脈硬化を進行させ血流を滞らせるため虚血性腸炎の原因の一つです。
そのほか、ストレスや日常生活の乱れも腸の血行を悪化させるといわれています。
 

虚血性大腸炎との違いは?類似の症状がある疾患との違い

虚血性大腸炎によって起こる腹痛や血便を伴う下痢は、腸が炎症や潰瘍を起こすほかの病気でもみられるものです。
そのため、患者さん自身が自覚症状だけで虚血性大腸炎であるかどうかを確認するのは、かなり難しいでしょう。
 
似た症状が現れる病気としては、クローン病・潰瘍性大腸炎・大腸憩室炎などが挙げられますが、いずれも虚血性大腸炎に比べ痛みが長引く傾向にあります。
また、大腸がんでも下痢や血便がみられることがありますが、この場合は下痢が続くのではなく下痢と便秘を繰り返す方が多いです。

 
 

虚血性腸炎の検査と治療

虚血性腸炎が疑われると、医療機関ではどのような検査をするのでしょうか?

虚血性腸炎の検査と診断

虚血性腸炎の可能性があると、まず問診をします。
その後、血液検査や腹部エコー、CT検査など行って検査していきます。
血液検査では、白血球数やCRP、赤血球の沈降速度など炎症に関わる項目を確認します。腹部エコーやCT検査では腸壁が厚くなっているか、腸がむくんでいるか、血流が滞っている部分があるかなどを確認します。
 
腸内の詳しい状態を観察し、また大腸がんなど別の病気がないか調べるために大腸カメラを行うことも多いです。
ただし、炎症や壊死などによりカメラを挿入するリスクが高いと判断された場合などは、症状と上記の検査結果のみを総合的に見て診断することもあります。

 

虚血性腸炎の主な治療

虚血性腸炎では、腸を休めるために絶食をして、代わりに点滴での補液をすることが治療の中心です。
感染性の病気ではありませんが、すでに起きている炎症を早期に鎮めるため上記の治療とあわせて抗生剤を使用します。
 
ほとんどの場合は手術には至りませんが、腸の組織に血液が行き届かず壊死が見られるケースでは、壊死している部分を取る手術を行うこともあります。

 
 

虚血性腸炎を繰り返さないための予防策

記事の前半で紹介したとおり、虚血性腸炎にはいくつかの原因があります。
この原因を軽減することが予防につながるため、思い当たる原因を中心に改善していきましょう。

食事や運動習慣の改善

便秘が原因と考えられる場合は、腸の動きを促すために軽い運動を習慣づけたり、水分や食物繊維を積極的に摂ったりすると良いでしょう。
また、食べ物をよく噛むことも大切です。噛む回数が増えることで、食べ物は細かくなり唾液の分泌も増えるため、消化が促進されます。
消化がスムーズに行われることは、腸の負担を軽減すると同時に便秘の解消にも役立つため、虚血性腸炎の対策としておすすめです。

 

基礎疾患の治療

動脈硬化などにより腸の血行が悪くなっている場合は、原因となっている病気の治療が必要です。
原因として特に多い高血圧症や糖尿病は、自覚症状のないケースが多く治療の必要性をあまり感じないという方もいるかもしれません。
しかし、症状がないうちから医療機関で数値を落ち着かせるための治療を受けることが、虚血性大腸炎の予防につながっていくでしょう。

 
 

虚血性腸炎の症状があるときは消化器外来へ

もし腹部の不調で「虚血性腸炎ではないか」と感じたら、まずは消化器の診療を専門とする診療科への受診をおすすめします。
具体的には、どのようなときに医療機関の受診を考えればよいのでしょうか?

腹部の症状や吐き気がある場合は消化器外来へ

痛みや下痢など腹部の症状が気になったときや、さらに重い症状として血便や嘔吐などがみられた場合は消化器外来に相談することをおすすめします。
消化器や腹部の不調に対して必要な検査を行い原因を調べることで、虚血性腸炎だけでなくほかの病気だった場合でも早期に適切な治療の提案が受けられるはずです。
 

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MYメディカルクリニックでも診察できます

MYメディカルクリニックでは、都心部など電車でもアクセスしやすい場所で、仕事を終えた後でも通いやすい時間帯の診療を行っています。
クリニック内にはさまざまな診療科があり、消化器外来もあるため「何かお腹の調子がおかしい」と感じたら、ぜひご相談ください。

 
 

まとめ

虚血性腸炎は便秘やストレス・生活習慣病など身近な原因から起こる病気です。
症状は一過性で自然と治ることが多いですが、稀に腸閉塞などを伴い重症化することもあります。
気になる症状が出たときは、消化器を専門とする診療科へ早めに受診しましょう。


 

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MYメディカルクリニック渋谷 笹倉 渉医師

監修:MYメディカルクリニック渋谷 非常勤医

笹倉 渉 Dr. Sasakura Wataru

資格

略歴

  • 藤田保健衛生大学医学部 卒業
  • 公立昭和病院
  • 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
  • 北部地区医師会病院麻酔科 科長
  • 2016年 MYメディカルクリニック 医師
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