これってもしかして不眠症?|原因・受診・治療方法を詳しく紹介
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これってもしかして不眠症?|原因・受診・治療方法を詳しく紹介
不眠症は眠れないだけでなく、日常生活に支障をきたす「うつ病」など、さまざまな病気の症状としてあげられます。
この記事では不眠症について、原因・受診の目安・治療方法まで詳しくご紹介します。
眠れないと感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
不眠症とは
よく耳にする「不眠症」とはどのようなものなのでしょうか?
● 国民病と言われる不眠症
● 不眠症は4タイプに分かれる
以上の2項目に分けてくわしく解説していきます。
他人事ではない!?国民病と言われる不眠症
不眠症は「国民病」と言われるように患者数が非常に多い疾患のひとつです。日本国民の約30〜40%の方が不眠症に悩んでいるとされており、とくに女性に多くみられる症状でもあります。
社会人の方であれば、大事な会議の前日に緊張して眠れなかった経験はないでしょうか?
数日経てばいつも通りに眠れるものが、長期間にわたって続く場合は不眠症かもしれません。
不眠症は4タイプに分かれる
不眠症は大きくわけて4つの種類があります。
- ● ベッドや布団に入ったが、なかなか寝付けない「入眠困難」
- ● 睡眠中に何度も目が覚める「中途覚醒」
- ● 起きる時間2時間程前に目が覚め、2度寝ができない「早期覚醒」
- ● 睡眠時間は足りているのに、眠りが浅くて寝た気がしないという「熟眠障害」
誰しも、ベッドに入ってから考え事や不安が頭をよぎり、寝つけないまま朝を迎えてしまった経験はあるのではないでしょうか。
たっぷり睡眠をとったはずなのに、翌朝まだ寝たい・疲れが取れていないなど、睡眠の質が低下している方が大勢います。
このような4つの症状以外にも、日中の生活に支障をきたす場合は注意が必要です。
不眠症の原因について
不眠症に繋がる原因は、主に以下の4つです。
- ● 環境の変化や日々のストレス
- ● 不規則な生活習慣
- ● 心身・身体的な原因
- ● 刺激物や薬などの外的要因
身近な疾患でもあるため、このような要因には注意が必要です。
一つひとつ解説していきます。
環境の変化や日々のストレス
不眠症につながる原因としては、ストレスが大きな割合を占めています。
ストレスが日々蓄積される要因は、人間関係や季節の変わり目に起こる気温差などです。
また、性格が真面目で神経質な方はストレスを溜め込みやすいため、適度に発散させるようにしましょう。
不規則な生活習慣
継続的な生活習慣の乱れは、不眠症のリスクを上げるとされています。
昼夜逆転の生活をしている方や、夜間の仕事をしている場合は不規則のため睡眠習慣が上手に取れません。
睡眠リズムを上手に整えることで、不眠症のリスクを抑えることができるでしょう。
心身・身体的な原因
不眠症の原因は、生活リズムの乱れだけではありません。
心身的な要因として、うつ病などの症状により眠れない場合があります。
身体的な要因としては、高血圧や糖尿病の影響により不眠に繋がるでしょう。
糖尿病について詳しくこちら
刺激物や薬などの外的要因
不眠に繋がる原因として、がん治療として用いられる抗がん剤などの「薬」があります。
そのほかにも、日中に眠気を誘発する抗ヒスタミン(花粉症薬)や、眠気を覚ますカフェインなどの刺激物も要因のうちのひとつです。
不眠症は何科を受診すればいい?
不眠症の症状が気になる場合、受診すべき診療科は大きくわけて3つあります。
- ● 不眠症か迷った場合は「内科」へ
- ● 精神的ストレスが強い場合「精神科・心療内科」へ
- ● 睡眠疾患に特化した「睡眠専門外来」へ
気になる症状にあわせて診療科を選ぶのがポイントです。
不眠症か迷った場合は「内科」へ
「寝つきが悪い日が数日ある」「日中の行動もそこまで深刻な状態ではない」など、眠れないことで悩んではいるもの体調不良などは特にないという場合、まずは身体の内側を専門的に診る内科を受診すると良いでしょう。
生活習慣の乱れなどが原因の不眠症なら、最寄りの内科受診でも解決する可能性があります。
当院の内科についてはこちら
精神的ストレスが強い場合「精神科・心療内科」へ
気分の浮き沈みや不安など、心の内側に心配を抱える場合は精神科や心療内科を受診すると良いでしょう。
精神的な面から不眠へ繋がっている場合があります。
眠れないだけではなく、プレッシャーや悩み事から心が辛い・生きにくいと感じる場合も、我慢せずに受診するのがおすすめです。
睡眠疾患に特化した「睡眠専門外来」へ
不眠症に悩む方が多いことから、近年睡眠専門クリニックなども増えてきています。
心療内科や精神科は少しハードルが高いと感じる方も、受診しやすいでしょう。
睡眠に関する広い知識を兼ね備えた医師や看護師に相談すると安心できることもあるため、病院の受診をハードル高く感じている方などにおすすめです。
不眠症の治療方法
不眠症を改善するための治療方法としては、大きく分けて以下の2種類があります。
- ● 生活習慣の改善(非薬物療法)
- ● 薬物療法
自分の症状や予算に合わせて、適切に取り組んでいきましょう。
生活習慣の改善(非薬物療法)
不眠症の治療として、睡眠サイクルの改善などの非薬物療法があります。
まずは、規則正しい生活を心がけることからスタートです。
ストレッチや軽めのウォーキングなど、運動を行うと夜の寝つきが良くなります。
バランスの取れた食事や、寝る前の寝酒などを控えるなど、一つひとつ始めやすいものばかりです。
このように生活習慣を改善することで、睡眠サイクルが整い、不眠を改善する効果が期待できます。
薬物療法
はじめに紹介した、非薬物療法を行っても不眠症が改善されない場合は、薬を服用します。
「薬を飲むだけでもう大丈夫!」と過信をせず、用法用量を正しく守ることが大切です。
また、不眠症治療薬の問題点として、記憶障害や依存症などがあるため、薬物療法を取り入れる方はよく注意するようにしましょう。
まとめ
誰もが一度は経験したことがある「眠れない」という症状は不眠症かもしれません。
不眠症の原因としては、ストレス・生活リズムの乱れ・病気による薬の副作用などがあります。
眠れない、よく寝ても疲れが取れない日が続くという場合は、我慢をせずに医療機関を受診しましょう。
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略歴
- 藤田保健衛生大学医学部 卒業
- 公立昭和病院
- 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科 助教
- 北部地区医師会病院麻酔科 科長
- 2016年 MYメディカルクリニック 医師