タイ(Thailand)への渡航に備えた予防接種
説明 | |
---|---|
地域概要 | 日本から飛行機で6時間程度で行ける国であり、日本からも多くの観光客が訪れています。平均気温は30℃~35℃と高いですが、北部のチェンマイや山間部では10℃前後まで冷え込む場合もあるようです。一方で、大気汚染と湿度の高さが相まってカゼ等の呼吸器疾患が多くなる場合もあります。 また、暑季は最高気温が35℃前後になり、外を歩く際には十分な水分補給と休息を取る必要があります。 |
医療情報 | 医療事情は、バンコクと地方都市、地方都市と農村部など個々の医療施設により大きく異なりますが、主要都市の公立基幹病院や代表的な私立病院では比較的設備が整っているようです。 バンコクの医療水準の高い私立病院では、日本の医学部を卒業した医師や日本の病院で研修経験のある医療者などが勤務している場合があります。また日本語通訳や日本語対応の窓口などの取組のある医療機関もあるようです。 医療費は日本と比べて安価とは言えませんので、事前の料金確認や保+R[6]C険が適用されるか確認することが必要です。保険への加入を是非お勧めします。 |
気候 | タイの気候は熱帯モンスーン気候であり、雨期と乾期に大別できます。バンコクでは、年間平均気温は29℃、平均湿度73%と高温多湿で年中蒸し暑いです。 4~5月が最も暑く、日中戸外では気温が40℃近い日もあります。6~10月の雨期には毎日1~2時間、雨が降ります。 11~5月が乾期ですが、11月中旬からの約2カ月間は最も過ごしやすい時期と言われています。 |
宗教 | 仏教94%、イスラム教5% |
文化 | 東南アジアでは唯一植民地支配を受けなかった国であり、長い王朝の歴史を持つ国です。国民の90%以上が仏教徒である敬虔な仏教国であることも特徴の一つです。 インド、中国やその他の国からの影響も受けながら、歴史のなかで培われてきたタイ人ならではの信仰や考え、礼儀などがあります。 |
気をつけたい感染症 | 感染性腸炎、寄生虫感染、出血性結膜炎、デング熱、結核、マラリア、インフルエンザ、チクングニア熱、狂犬病、エイズ・HIV感染症、ジカ熱 |
推奨する予防接種 | A型肝炎、B型肝炎、破傷風、狂犬病(犬や野生動物との接触が予想される場合)、日本脳炎(農村部に長期滞在する場合) |
年間を通じ気温が高く、蚊が媒介するデング熱やチクングニア熱の流行地域です。また、マラリアや日本脳炎などのリスクもあるため、蚊よけ対策も重要となります。タイで子供の定期予防接種を実施しているが、日本の子供の定期予防接種に含まれていないワクチンとして、流行性耳下腺炎(ムンプス)があります。
日本で実施されている定期予防接種の中には世代によって実施されていないものもあるため、母子手帳等を確認し、接種していないワクチンに関してはすべて打っておきましょう。
渡航前にA型肝炎、B型肝炎、破傷風のワクチン接種を推奨します。日本脳炎や狂犬病、腸チフスもリスクがあるため、長期間滞在する場合などは接種を検討して下さい。また、リスク国からタイに入国する場合は、入国時にイエローカード(黄熱ワクチン接種証明書)が必要です。
破傷風 | 麻疹風疹 | A型肝炎 | B型肝炎 | 日本脳炎 | 狂犬病 | 黄熱 | 腸チフス | 髄膜炎菌性髄膜炎 | ポリオ | 流行性耳下腺円 | 水痘 | 肺炎球菌ワクチン | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
タイ渡航推進予防 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | 〇 | 〇 | |||||||
日本の定期予防接種 | 定期 | 定期 | 任意 | 定期 | 定期 | 任意 | 任意 | 任意 | 任意 | 定期 | 任意 | 定期 | 定期 |
タイで実施され日本の定期予防接種でない感染症 | 〇 | 〇 |
◎:推奨 〇:長期滞在者、流行地域滞在 △:高リスク者
-
A型肝炎
タイではA型肝炎のリスクのある国とされています。蔓延地域では小児期に感染し成人は抗体陽性率が高いとされていますが、日本などの先進国では成人の抗体保有率が低く、発症リスクが高まります。特に、長期間滞在者、都市部以外の地域に行く方などは接種して下さい。
-
B型肝炎
B型肝炎ワクチンはタイにおいて、子供の定期予防接種です。タイなどの東南アジアは有病率が高いとされています。WHOはすべての小児が接種すべきユニバーサルワクチンとして位置付けており、日本でも2016年から定期予防接種となりました。渡航する方は、ワクチンの接種を推奨します。
-
破傷風
破傷風菌は世界中の土壌に存在し、日本でも死亡者が報告されています。3回以上の接種で基礎免疫があるとされていますが、10年ごとの追加接種が推奨されています。その為、渡航前に接種歴を確認し、10年以上接種がない場合や計3回の接種が確認出来ない場合は接種しましょう。
-
狂犬病
タイでの狂犬病ウイルスを持つ動物は多く、毎年のように死亡者が出ています。主な感染源として過半数を犬が占めていますが、飼い犬に予防接種していないことがあり問題となっています。野良犬も屋台やホテルの敷地など街中に見られます。その為、動物を扱う機会のある方だけでなく、長期間滞在者や旅行者も接種を検討して下さい。
-
日本脳炎
タイでは田園地帯や北部で季節的に風土病となっており、1年中伝播します。蚊の対策だけでなく、長期間滞在や都市部以外に行かれる方は接種を検討して下さい。