腸チフスワクチン

説明
概要 チフス菌と呼ばれるサルモネラの一種による感染症です。一般的には感染者や回復期の患者、保菌者の便で汚染された食べ物や水から感染します。日本での発生の多くは海外で感染し帰国後に発症した輸入感染です。潜伏期間は6~30日です。
流行地域 日本を除く東アジア、東南アジア、インド亜大陸、中東、東欧、中南米、アフリカなどに広く分布しており、途上国に多くみられます。特に多いのがインド、バングラデシュ、パキスタンといったインド亜大陸地域です。
製剤の特性 現在国が認めているワクチンがないため、腸チフスワクチンは輸入ワクチンとなります。また、生ワクチンもありますが、日本ではあまり用いられていません。
接種スケジュール 一回の投与で効果がありますが、ワクチンの効果があらわれるまでに最低2週間となりますので、旅行前最低2週間での接種が必要となります。
有効性 腸チフスが流行している国への旅行者や、チフス菌やチフス菌を持っている人との接触があった人に勧められています。
副反応 注射部位の痛みや腫れ、発熱や頭痛などの全身症状があらわれる場合があります。
その他の留意点 1回の接種で効果はありますが、2,3年経つと効果が切れるため再接種が必要となります。国内未承認ワクチンですので、接種後に重篤な副反応が起こった場合、公的な保障制度はありません。