平素よりお世話になっております。

緊急事態宣言の延長も決定し、例年とは違う自粛の中でのゴールデンウィーク、どのように過ごされましたでしょうか。

ソフトバンクの孫社長が新型コロナウイルスの抗体検査キット200万個をグループの社員や家族に提供されるというニュースをご覧になった方も多いと思います。
また、新型コロナウイルスだけを99.8%の精度で特定できるとされるスイス製薬大手のロシュの抗体検査薬の使用許可がアメリカで出たというニュースも日経新聞に出ていましたね。
新型コロナウイルス感染症の抗体検査について気になる・・・けどよくわからない!そんな方も多いのではないでしょうか?
そこで、新型コロナウイルス感染症の抗体検査についてご紹介していきます。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査といえば、「PCR検査」が1番に思い浮かぶのではないでしょうか?

新型コロナウイルス感染症のウイルス学的診断には主に2種類の方法があります。1つは核酸(RNA・DNA)増幅法。こちらが皆さんご存知のPCR検査です。
もう1つが血清学的診断法。こちらが抗体検査です。
そして先日、新たに抗原検査のニュースも出ていましたね。
どんなちがいがあるの?と疑問に思われる方が多いと思いますが、下記がPCR検査、抗原検査と抗体検査のちがいです。

PCR検査はウイルスの核酸(DNA)を増幅することで、そこにいるウイルスの存在を調べます。同様に抗原検査はそのウイルスに特異的なタンパク質を検出することで、そこにいるウイルスの存在を調べる検査であり、PCR検査より早期に検査結果がわかります。抗体検査は血液中の抗体の有無を調べることで、主に身体がウイルスと戦った証の有無を調べます。

【そもそも抗体検査ってなに?】

前回の投稿でもお伝えした通り、抗体検査はこれまでにウイルスに感染したことがあるかという「感染履歴」を調べることができる検査です。抗体というのは、免疫細胞から産生され、体内に侵入したウイルス等の異物と特異的に反応し、これらを無毒化・攻撃する物質です。
新型コロナウイルス感染症における抗体検査キット(イムノクロマト法)は、少量の血液検体から迅速診断する検査方法です。検査キットによっては感度(陽性の患者を陽性と正しく判定する確率)80%以上、特異度(陰性の患者を陰性と正しく判定する確率)90%以上と比較的高い性能を有していると報告されています。しかしながら、10~15%程度の偽陰性の可能性および、陽性の場合にも100%正確な結果とは言えず、メーカーによって精度にばらつきがあります。

http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/news/gakkai/covid19_kensakit_0423.pdf
抗新型コロナウイルス抗体の検出を原理とする検査キット 4 種の性能に関する予備的検討/⼀般社団法⼈⽇本感染症学会

【IgM抗体とIgG抗体のちがいって?】

「IgM抗体」「IgG抗体」という単語を目にする機会も多いのではないでしょうか?
新型コロナウイルス感染症の抗体検査キットではこの2種類の抗体を調べます。
そのちがいについて解説いたします。

IgM抗体は感染初期に出現するのに対し、IgG抗体はIgM抗体の後に出現します。
抗体が体内で増えてくるまでに日数を要しますが、IgM抗体は感染からおよそ1週間、IgG抗体はおよそ2週間後に検出されるようになります。
国立感染症研究所の研究結果から、発症6日後までの新型コロナウイルス感染症患者の血清ではウイルス特異的抗体の検出は困難であり、発症1週間後の血清でも検出率は2割程度にとどまることが明らかになっています。また、抗体陽性率は経時的に上昇していき、発症13日以降になると、ほとんどの患者で血清中のIgG抗体は陽性となることが判明しています。

https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/9520-covid19-16.html
迅速簡易検出法(イムノクロマト法)による血中抗SARS-CoV-2抗体の評価/国立感染症研究所

【抗体検査の結果の見方】

IgM抗体、IgG抗体の検査結果からどのようなことが考えられるのか、ということがやはり気になるところだと思いますので、検査結果に焦点をあてます。

〇IgM抗体 陰性、IgG抗体 陰性

新型コロナウイルスに罹っていない可能性が高いので、引き続きマスクや手指消毒などで感染に注意して日常生活を送ってください。

〇IgM抗体 陰性、IgG抗体 陽性

以前に新型コロナウイルスに罹っていた可能性が高いです。新しいウイルスなので、IgG抗体があるからといって100%安心できるわけではないですが、免疫力があると考えられます。

〇IgM抗体 陽性、IgG抗体 陰性

新型コロナウイルスに現在罹っている可能性が高いです。他人への感染力がある段階だと推定されるので、少なくとも7~14日間は、自己隔離による自粛を推奨します。症状があれば採血検査やレントゲン検査をし、症状に応じた治療薬の処方も可能です。

自己隔離中は、同居家族などへの感染に注意し、体温だけでなくSpO2(酸素飽和度)をモニタリングしていただくのが良いと考えます。動悸や日常生活動作での呼吸苦の症状が出てきた場合には、速やかに帰国者接触者センター等へ連絡してください。

〇IgM抗体 陽性、IgG抗体 陽性

現在、今回の新型コロナウイルスに罹っていて、免疫がつきはじめている可能性が高いです。まだ他者へ感染させるリスクがあると考えられているので、少なくとも7~14日間は自己隔離による自粛を推奨します。

ニューヨーク市の調査では21.6%が抗体陽性だったという記事があります。
国内では、神戸市の病院を新型コロナウイルス以外の理由で受診した患者1000人を対象にした調査で、およそ3%から新型コロナウイルスに感染していたことを示す抗体が検出されたことが分かったというニュースもありました。
市中感染状況を把握することの疫学的臨床意義は高く感染拡大防止にも大変役立つと考え、当院でも抗体検査キットを用いた感染状況の調査研究を開始いたしました。検査キットは現時点では体外診断用医薬品として承認はされておらず、研究用のものとなります。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58434040U0A420C2000000/
2020/04/24 日本経済新聞
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200503/k10012416071000.html
2020/05/03 NHK

【抗体検査による調査研究にご協力いただける方へ】

新型コロナウイルスの抗体検査による調査研究にご協力いただける方には下記のような流れで検査を受けていただきます。
予約をして来院後、まずは問診表を記入します。そして、医師の問診を受け、採血を行います。

採血後の流れは上図のとおりです。
検査キットに血液と抗体希釈液添加(看護師・技師が対応します)後、結果が出るまで15分ほど待機していただきます。
その後、医師からの結果説明を受けます。

結果はこのように出ます。GはIgG抗体、MはIgM抗体を示します。
※検査キットは写真のものと異なる場合があります。

以上が調査研究のための新型コロナウイルス抗体検査の流れです。
*費用は1名様あたり10,000円(税別)となります。

調査研究へのご協力をご希望の方はこちら(https://ssc2.doctorqube.com/mymc.jp/)からご予約をお願いいたします。

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