婦人科

婦人科の検査

経腟超音波検査

経腟超音波検査は、専用の細い棒状のプローブ(探触子)を膣内に挿入し、はね返ってくるエコーを画像化して、子宮や卵巣の状態を調べる検査です。画像で診ることが可能なため、がん検診だけではわからない子宮筋腫や子宮内膜ポリープ、卵巣嚢腫等の異常所見をリアルタイムで見つけることができます。

月経不順や月経痛がひどい、月経時の出血量が多いなどの悩みをもっている女性には超音波検査で原因がわかれば治療により症状を軽減することも可能です。

2019年度の当院の婦人科検診受診者の中の約4人に1人の割合で子宮筋腫などの異常所見が見つかっています。1年に1回の検診が推奨されています。

発見可能な病気
子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮頸がん、卵巣嚢腫、卵巣がん等

子宮頸部細胞診

子宮頸部細胞診

子宮頸部細胞診は子宮の入り口をブラシや綿棒で擦り、細胞を採取してがん細胞や、がんになりかけている細胞(異形細胞)の有無を調べる検査です。ほとんど痛みのない簡単な検査で、検査自体の所要時間は2~3分程度です。

子宮頸がんは性交渉によりHPV(ヒトパピローマウイルス)に感染することで発症します。HPVによって細胞に異常を引き起こし、がん化していくため当院ではHPVの感染の有無を調べる検査もオプション検査の1つとしてご受診可能です。

子宮頸がんは20代からがんの発生率が上昇していき、30代後半から40代で発症のピークを迎えます。日本では若い方の罹患が増え続けているのが現状で、1年に1回の検診が推奨されています。また、子宮頸がんは早期に発見・治療することで比較的治りやすいがんと言われています。

発見可能な病気
子宮頸がん、子宮頚部異形成等

HPV検査

子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の有無を調べる検査です。性交渉の経験がある女性の約80%が1度はHPVウイルスに感染したことがあると言われていますが、ほとんどが自然に治ってしまいます。

まれにHPVウイルスが持続感染することがあり、感染から5年から10年かけて感染した細胞ががんへと進行していきます。がんになる前がん状態を検診で発見することが非常に重要です。

HPV検査は子宮細胞診の検査で採取した細胞でそのまま検査に出すことができるため一緒に受けることが推奨されています。

当院ではヒトパピローマウイルスの感染を予防するワクチン、ガーダシル9の接種も可能です。

♦ガーダシル9について、ブログで取り上げました♦
【予約受付開始】ガーダシル9(HPVワクチン)

子宮内膜細胞診

子宮内膜の細胞を採取し、病理検査によりがんなどの異型細胞の有無を調べます。

発見可能な病気
子宮体がん、子宮内膜異型増殖症

細菌培養検査

膣分泌物を採取し、培養することで細菌や真菌などの感染症の有無を確認する検査です。検査をしてから2週間程度で結果がわかります。

発見可能な病気
トリコモナス感染症、カンジダ膣症(炎)、細菌性膣症

淋菌・クラミジア検査

綿棒を使用して膣からの分泌物を採取し検査をおこないます。検査をしてから2週間程度で結果がわかります。

発見可能な病気
淋菌・クラミジア

性器ヘルペス検査

潰瘍や水泡、びらんが出来ている部位から浸出液を採取し、単純ヘルペスウイルスの感染を調べる検査です。

発見可能な病気
性器ヘルペス

血液検査

血液検査をしてホルモンの状態、貧血、HIV梅毒の感染等を調べることが出来ます。
腫瘍マーカーで​は、子宮頸がん・卵巣がんの可能性を調べることができます。

妊娠テスト

妊娠しているときにつくられるhCG(human Chorionic Gonadotropin:ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)と呼ばれるホルモンの有無を調べる検査です。
hCGは、着床してから初めて体の中で作られるため、妊娠の有無を調べることができます。
妊娠5週目以降で検査が可能です。

婦人科の症状

子宮頸がん

子宮頸がんとは、子宮頸部にできるがんです。
原因の一つにHPV(ヒトパピローマウイルス)に感染することと言われております。
女性特有のがんの中で2番目に多いがんです。
20~30歳代の若い女性にも子宮頸がんが増えてきています。

  • 症状

    初期は症状がありません。
    進行に伴い、月経中でないときや性行為の際に出血やおりものの増加等が見られます。また、がんが骨盤内に浸潤し始めると、下腹部など様々なところに痛みが出てきます。

  • 当院で可能な検査

    子宮頚部細胞診経腟超音波検査

  • 治療方法

    手術療法、化学療法、ホルモン療法、放射線治療があります。(当院では処置が出来ないため、ご紹介いたします。)

♦子宮頸がんについて、ブログで取り上げました♦
【子宮頸がん予防】HPVワクチン打てるようになりました!

子宮体がん

子宮体部にできるがんのことです。子宮内膜(から発生するため、子宮内膜がんとも呼ばれます。エストロゲンという女性ホルモンの長期的な刺激が続くことによるものと、エストロゲンとは全く関係ない原因で発生するものがあります。閉経前後に発症する人が多く、遺伝性のものもあります。

  • 症状

    約90%に不正出血があると言われてます。腹部膨満感がある場合や無症状の場合もあります。

  • 当院で可能な検査

    経腟超音波検査子宮内膜細胞診、子宮内膜組織診

  • 治療方法

    手術療法、化学療法、ホルモン療法、放射線治療があります。(当院では処置が出来ないため、ご紹介いたします。)

子宮内膜症

子宮内膜組織が本来あるべき子宮の内側以外の場所(卵巣や腹膜)にできる病気です。子宮内膜症は再発を繰り返しやすい病気ですが、早期発見することで、重症化を抑えることが可能です。

  • 症状

    過度な月経痛、過多月経、過長月経、下腹部の痛み、不妊、性交時痛等

  • 当院で可能な検査

    経腟超音波検査

  • 治療方法

    薬物療法と手術療法の2種類があります。

    薬物療法:鎮痛剤や漢方薬で痛みを抑える対症療法と、子宮内膜症の進行を抑えるホルモン療法があります。
    手術療法(当院では処置が出来ないため、ご紹介いたします):病巣を除去するだけのものから、子宮及び卵巣を全摘出するものがあります。場合により、体に侵襲の少ない腹腔鏡での手術を行うこともできます。

    薬物治療と手術治療のどちらを選択するかは、子宮内膜症の進行具合や妊娠の希望等によって変わってきます。そのため、一度医師にご相談ください。

子宮内膜症性嚢胞(チョコレート嚢胞)

子宮内膜症が卵巣にでき、進行すると嚢胞を形成します。月経を繰り返すことによって、嚢胞内に古い内膜が溜まってしまったものを子宮内膜症性嚢胞といいます。子宮内膜症性嚢胞から卵巣がんになることもあります。

  • 症状

    月経痛、不妊、性交痛、排便痛、過多月経、貧血、過長月経等

  • 当院で可能な検査

    経腟超音波検査、血液検査(腫瘍マーカー)

  • 治療方法

    子宮内膜症性嚢胞が小さい場合は薬物療法を行い、大きくなってきたら手術で子宮内膜症性嚢胞を摘出します。腹腔鏡手術での治療も可能です。

子宮腺筋症

子宮内膜組織が子宮の筋層に増殖する病気です。そのため、子宮の筋層の組織が分厚くなっていきます。

  • 症状

    月経痛、過多月経、過長月経、下腹部の痛み、不妊、性交痛、排便痛等

  • 当院で可能な検査

    経腟超音波検査、血液検査(腫瘍マーカー)

  • 治療方法

    薬物療法と手術療法の2種類があります。

    薬物療法:鎮痛剤や漢方薬で痛みを抑える対症療法と、子宮内膜の増殖を抑えるホルモン療法があります。
    手術療法(当院では処置が出来ないため、ご紹介いたします。):多くの場合、子宮を全摘出します。場合により、体に侵襲の少ない腹腔鏡での手術を行うこともできます。

    薬物治療と手術治療のどちらを選択するかは、子宮腺筋症の進行具合や妊娠の希望等によって変わってきます。そのため、一度医師にご相談ください。

子宮筋腫

女性ホルモンが増えることで、子宮壁にできる良性の腫瘍のことです。原因はまだ詳しくはわかっていませんが、2~3割の月経のある女性が子宮筋腫を持っていると言われております。

  • 症状

    月経痛、過多月経、過長月経、貧血、圧迫症状、頻尿、便秘等

  • 当院で可能な検査

    経腟超音波検査

  • 治療方法

    ホルモン療法と手術療法の2種類があります。
    ホルモン療法(当院では処置が出来ないため、ご紹介いたします。):子宮筋腫は卵巣から出るエストロゲンに影響を受けて、大きくなります。そのため、エストロゲンの作用を抑える薬で、症状を軽減させます。
    手術療法(当院では処置が出来ないため、ご紹介いたします。):筋腫のみを摘出する筋腫核出術と、子宮をすべて取ってしまう子宮全摘術があります。
    筋腫が小さい場合や、症状が出てない場合は経過観察をして、特に治療が必要で無いことがあります。

卵巣腫瘍

卵巣にできる腫瘍のことです。良性・境界悪性(飛ぶ)・悪性があり、約90%が良性とされています。大きくなると卵巣腫瘍の付け根部分がねじれる卵巣腫瘍茎捻転を起こし、強い下腹部痛を起こすことがあります。

  • 当院で可能な検査

    経腟超音波検査腫瘍マーカー

  • 治療方法

    手術療法、化学療法があります。
    治療は良性・境界悪性(飛ぶ)・悪性か、また、症状や進行具合によっても異なってきますので、医師にご相談ください。

バルトリン腺嚢胞

外陰部の膣の入り口にバルトリン腺という分泌腺があります。バルトリン腺が炎症などで閉塞することによって、分泌液が貯まってしまい、腫れてしまいます。

  • 症状

    初期は腫れも小さく、気づかないことも多いです。
    バルトリン腺内に細菌感染すると、膿が内部にたまり、強い痛みが出てきます。

  • 当院で可能な検査

    視診、触診

  • 治療方法

    バルトリン腺嚢胞が小さく、痛みが無い場合には経過観察が可能です。
    大きくなって来たり、痛みが出た場合には治療が必要です。
    その場合、当院では排膿のための穿刺が可能です。

    ただ、バルトリン腺嚢胞は再発を繰り返す場合があり、そのときは造袋術を行うのが一般的です。造袋術とは、嚢胞の壁を切開し、周囲の皮膚と縫い合わせます。そうすることで、バルトリン腺が閉じないように保つことが出来ます。

毛嚢炎

毛穴の奥にある毛包の炎症のことです。原因は毛穴の中に細菌が入ってしまうことです。毛穴があるところは、全身どこでも毛包炎になる可能性があります。ニキビは毛包炎の一種となっております。

  • 症状

    赤く腫れ、押すと痛みを伴うことがあります。

  • 当院で可能な検査

    視診、触診

  • 治療方法

    軽症な場合は治療する必要が無いこともあります。症状がひどい場合には、薬物療法を行います。

頸管ポリープ

頸管ポリープとは子宮の入り口にできるポリープを指します。

  • 症状

    多くは無症状ですが、不正出血を起こすことがあります。

  • 治療方法

    切除術を行います。痛みも少なく約5分ほどで終わる簡単な処置です。

性器ヘルペス感染症

性交渉により感染します。疼痛により、排尿困難や歩行困難をきたす場合もあります。

  • 症状

    外陰部に強い痛みが出て、水疱ができます。

  • 当院で可能な検査

    性器ヘルペス検査、視診

  • 治療方法

    薬物療法を行います。

HIV感染

HIV(ヒト免疫不全ウイルス)が免疫細胞に感染した結果、体を細菌やウイルスから守れなくなり、様々な病気に感染しやすくなっている状態をエイズと言います。早期に治療を開始することで、免疫機能が保たれエイズの発症を遅らせたり、命を落とす病気ではなくなってきています。

  • 症状

    初期自覚症状が無いことが多いですが、感染後すぐに、インフルエンザのような症状が出ることもまれにあります。

  • 当院で可能な検査

    採血によるHIV抗原・抗体検査

  • 治療方法

    薬物療法を行います。抗ウイルス薬の研究が進んでおり、副作用の少ないものや、免疫機能が保たれ、エイズ発症を防ぐ事が出来るようになっています。

梅毒

性交渉で感染します。ここ数年で東京都の梅毒患者数は急増しています。

  • 症状

    感染後1ヶ月でできもの・しこり・ただれがみられ、3ヶ月は全身に発疹が現れ、数週間から数ヶ月で症状は一旦なくなります。そして数年から週十年後に心臓や血管、神経に異常がみられる恐れがあります。

  • 当院で可能な検査

    採血による梅毒検査

  • 治療方法

    抗菌薬による薬物療法を行います。

淋菌・クラミジア

クラミジアは最も多い性感染症です。放置すると、卵管炎などを起こし不妊症の原因になるといわれています。淋菌はクラミジアと症状が似ており、淋菌とクラミジア同時に感染していることもあります。

  • 症状

    女性の感染者のほとんどに自覚症状がありませんが、まれにおりものの量が増えたり、菌が原因で腹痛を起こすこともあります。

  • 治療方法

    薬物療法を行います。薬の服用終了から2~3週間後にもう一度来院していただき再度検査を受けていただきます。陰性の判定がでれば終診となります。

  • 当院で可能な検査

    淋菌・クラミジア検査

更年期症候群

閉経前後に、女性ホルモンであるエストロゲンが減少し、ホルモンバランスが崩れることによって起こります。

  • 症状

    ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)、イライラ、精神不安定、肩こり、めまい、動悸・息切れ等

  • 治療方法

    ホルモン補充治療、漢方療法、抗うつ薬・抗不安薬等

PMS/PMDD

月経前に現れる心や身体の不調のことです。20~30代女性に多く見られます。
月経前不快気分障害(PMDD)とは身体的な症状は月経前症候群に似ていますが、精神症状がPMSに比べて強く現れ、生活に支障をきたすほどの重い症状であると言われています。

  • 症状

    からだの症状:下腹部痛、乳房やお腹が張る、便秘、むくみ、肌荒れ、食欲が増すなど。
    心の症状:イライラする、気分が落ち込む、集中力の低下、感情の起伏が激しくなるなど。

  • 治療方法

    腹痛を抑える鎮痛剤や漢方の服用、むくみを取る利尿剤の服用など、症状がでた時に各症状に対応する薬で症状を和らげます。鎮痛剤で症状がおさまらない場合は低用量ピルを服用するなど一般的には対症療法を用います。