みなさま、A型肝炎をご存知でしょうか。

 

A型肝炎はA型肝炎ウイルス(HAV)に感染して起きる疾患で、主な症状は急性肝炎によって引き起こされる発熱、倦怠感、食欲不振、嘔吐、下痢、黄疸(白目の部分や肌の色が黄色くなる)になります。HAVは糞便中に排泄され、糞口感染で広がりますので、上下水道などが整備されていない、衛生環境がよくない国や地域で発生がしやすくなっています。

 

今までなんとなく耳にしたことはあると思いますが、実は日本での感染者報告数は2018年から急増しており、今後特に気をつけなくてはいけない感染症の1つと言えます。

A型肝炎患者数推移
出処:東京都感染症情報センター

海外からの渡航者、海外への渡航者が年々増える国際社会の流れの中で、日本でもA型肝炎の感染予防対策は今まで以上に社会的に重要な問題として認識されるようになってくると思われます。

 

A型肝炎はワクチンで予防できる感染症です。予防接種をしっかり3回接種すれば、5年間有効な免疫抗体を作ることができると考えられており、初回接種から2~4週間の間隔で2回目、その5ヶ月後に3回目が推奨されているスケジュールとなります。

 

とりわけ、アフリカ大陸やアジア全域、南アメリカ大陸へ旅行や赴任される方はしっかりと知識を持ち、ワクチン接種による予防をしていきましょう。
当院では、A型肝炎ワクチン(エームゲン)を9,000円(税込)でご提供しております。詳しくはトラベラーズ外来・A型肝炎ページをご確認ください。

GWも終わり、4月にかわった環境変化もそろそろ落ち着き始めた頃でしょうか?
最近、診察していて、甲状腺について聞かれる事が多かったので、今回は、甲状腺について少し、説明します。

 

甲状腺の病気は、芸能人の方なども多く、なんとなく皆さんも聞いた事があるかと思います。

 

甲状腺というのは、甲状腺ホルモンを作る臓器です。
甲状腺ホルモンというのは、新陳代謝の過程を刺激し促進する作用があります。

 

また、胎児の発育や子供の成長に重要な役割を持っています。
成人の場合には、簡単に言うと、元気で活発にするホルモンです。
多くなると、代謝が良くなりすぎてしまいますし、少なくなると代謝が悪くなりすぎてしまい、様々な症状を起こします。

 

甲状腺

甲状腺は、従来は健康診断での触診でスクリーニングされてきました。
健診時の甲状腺腫瘤の発見率は、日本での報告によると、0.78~1.87%(男性0.33~0.83%、女性0.96%~4.16%)と言われています。
一方最近では、超音波検査をオプション検査として選択される方も多く、スクリーニング検査として超音波検査を行うと、男性16.63%、女性28.14%と10倍近く発見率が上昇すると言われています。

 

これから、健康診断を受診する人で、何か最近体調が悪いなとか、かつて甲状腺が大きいと言われたことがあるとかの人は、採血による甲状腺ホルモン検査と併せて、超音波検査を受けてみることをお勧めします。